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スマホはこりごり? サムスン、JBLの音響メーカー買収で自動車産業に進出

2016年11月16日(水)06時01分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

 だが、自動車業界の一部では、今回のサムスンによるハーマン買収を不安視する声もある。 サムスンはグループ内にサムスン・ルノーという自動車会社を持っている。親会社のルノー、そして同じルノーグループである日産などに、サムスン電子=ハーマンのコネクテッドカー技術が優先的に使われる可能性は大いにある。

 さらにサムスン電子の関連企業の技術を集結すれば、電気自動車は楽に生産できるという点も見逃せない。 特に電気自動車のバッテリーではサムスンSDIがBMW、アウディ、フォルクスワーゲン、フォードなどに製品を供給している。 業界関係者は「電気自動車の時代が来れば、サムスンがどう事業方向を変化させるのか関心が高い」と話す。

注目は来年のGALAXY S8?

 ここまで見ると、サムスンがこの夏、世界中を騒がせたGALAXY Note7のバッテリー発火問題にこりて、スマートフォン事業に見切りを付けた──、と見る向きもあるだろう。だが、サムスンのコネクテッドカーへの取り組みは実際には昨年12月から事業チームを新設して始められていたものだ。

 もともとLSIでの成功からTVの液晶パネル、スマートフォンと、同社の主力製品は時代に流れに応じて移り変わってきた。そしてスマートフォンも世界的に飽和状態に近づきつつある今、新たな成長分野としてコネクテッドカーの世界に挑戦しはじめたというわけだ。今回のM&Aについて同社の関係者は「コネクテッドカー部門の開発スピードを速めるため、複数の候補を健闘して9月からハーマンと交渉を開始した」と語る。サムスン電子のプリンス、イ・ジェヨン副会長が取締役になって初めて手掛けるプロジェクトということでも注目を集めている。

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