最新記事

自動車

Jポップカルチャーで国際競争に勝つ! 国内自動車メーカーが独自色

日本がもつ独自のDNAで差別化を図る

2016年4月24日(日)07時55分

4月20日、国内大手自動車メーカーの一部は、無個性になりがちなデザインに日本のポップカルチャーを取り入れ、世界的に似たような車がひしめく業界で独自性を打ち出そうとしている。写真は、日産CCOの中村史郎氏と「ニッサン グリップス コンセプト」。神奈川県厚木市で14日撮影(2016年 ロイター/Toru Hanai)

 品質の高さで名高い国内大手自動車メーカーの一部は、無個性になりがちなデザインに日本のポップカルチャーを取り入れ、その「Jファクター」によって、世界的に似たような車がひしめく業界で独自性を打ち出そうとしている。

 日産自動車<7201.T>のスポーツカー「GT─R」のデザイナーたちは、人気アニメ「機動戦士ガンダム」からインスピレーションを得た。

 日産の専務執行役員でチーフクリエイティブオフィサー(CCO)の中村史郎氏は、ガンダムに代表される日本のアニメロボットのギクシャクした中に生まれるかっこよさ、力強さを表現したかったと話す。

 GT─Rを「見たことがない、ポルシェやフェラーリに絶対見えない」、世界中に唯一のデザインにしたかったと同氏は語る。

 米ゼネラル・モーターズ(GM)やいすゞ自動車<7202.T>でもデザインを担当してきた経歴を持つ中村氏は、世界の車が似ていく中で、自分たちの独自性を出すためには、日本の美意識を反映させるべきだと主張する。

 日本的なものを追及するのは「日本のブランドだから」と断言する中村氏は、「独自性を出していくために、自分たちの持っているDNAみたいなものをベースにやっていかないと一貫性も出ないし、自信も持てない」と説明する。

 かつて米フォードの高級車部門リンカーンブランドでチーフデザイナーを務め、独BMWのデザイン子会社でも働いたことがあるリチャード・コン氏は、「大量生産の効率性、規模の経済性、ブランドのグローバル化、リスク回避的な企業風土、自動車の人間工学、インフラ、規制上の制約といったこと全てが、このような(世界的に個性的な車が無くなってきている)現象と関係している」との見方を示した。

「ピカチュウ」や「ルフィ」も

 他の日本の自動車メーカーも「Jファクター」を求めている。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

ドルが急落、156円後半から154円後半まで約2円

ビジネス

為替、基調的物価に無視できない影響なら政策の判断材

ビジネス

訂正野村HD、1―3月期純利益は前年比7.7倍 全

ビジネス

村田製の今期4割の営業増益予想、電池事業で前年に5
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された米女優、「過激衣装」写真での切り返しに称賛集まる

  • 3

    中国の最新鋭ステルス爆撃機H20は「恐れるに足らず」──米国防総省

  • 4

    今だからこそ観るべき? インバウンドで増えるK-POP…

  • 5

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 6

    未婚中高年男性の死亡率は、既婚男性の2.8倍も高い

  • 7

    「鳥山明ワールド」は永遠に...世界を魅了した漫画家…

  • 8

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 9

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 10

    心を穏やかに保つ禅の教え 「世界が尊敬する日本人100…

  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 10

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 4

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 7

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこ…

  • 8

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 9

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 10

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中