最新記事

円高

NY市場で円全面高、G20声明で具体策なく

米国の消費低迷、中国経済の先行き不安なども重なり、安全資産とされる円が買われる

2016年3月1日(火)10時40分

3月1日、終盤のニューヨーク外為市場では、円が全面高の展開となった。写真は1万円札とドル紙幣、都内で2013年2月撮影(2016年 ロイター/Shohei Miyano)

 終盤のニューヨーク外為市場では、円が全面高の展開となった。週末開催の20か国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が27日発表した声明で、低成長・低インフレへの具体策を示すことができなかったことを受けて、安全資産とされる円が主要通貨に対して買われた。

 また発表された米国とユーロ圏の指標が弱かったことも、ドルやユーロが対円での下落要因となった。

 ドル/円は112.67円に下落後、終盤は1%超安の水準で取引されている。

 G20声明では為替相場については緊密に協議するとしたが、アナリストは協調介入(円売り)ヘの動きには程遠かったと見る。

 TJMブローカレージ(シカゴ)の外為部門共同責任者、リチャード・スカローン氏は「市場はこの1カ月余りで上昇した円についてなにがしかの公式なメッセージがあるのではと期待していたが、それがなかったということは円を買い持ちにしたい市場参加者に一息つく余裕を与える」と述べた。

 この日発表された2月のシカゴ地区購買部協会景気指数は、前月の55.6から47.6に低下、予想の53.0も下回った。1月の米中古住宅仮契約指数も、予想外の前月比2.5%の低下だった。

 これを受けてドルは対円で下落。結局ドル/円は26日からの上昇分を削り、月間で7年超ぶりの大幅下落となった。

 欧州時間に発表された2月のユーロ圏消費者物価指数(CPI)速報値は、前年同月比で0.2%低下。オアンダのチーフ通貨ストラテジスト、ディーン・ポップルウェル氏によると、指数発表後、欧州中央銀行(ECB)が来週の理事会で追加緩和に踏み切るとの期待が高まり、ユーロ/ドルは2月の最安値となる1.0859ドルに下落した。

 ユーロ/円も122.47円まで売られ、終盤は1.5%安の水準での取引となっている。月間での下落率としては、1年超ぶりの大きさだった。

 この日、中国人民銀行(中央銀行)が預金準備率を4か月ぶりに引き下げ、人民元の売り圧力となった。前出のポップルウェル氏は、これで中国景気の先行き不安が高まり、これも円買いの要因になったと見る。

 ドル/円 NY時間終値 112.77/112.80

前営業日終値 113.96

ユーロ/ドル NY時間終値 1.0871/1.0878

前営業日終値 1.0936

 

[ニューヨーク 29日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

ニュース速報

ワールド

英次期首相決定が1週間後ずれ、9月9日まで=保守党

ビジネス

欧州銀行監督機構や清算機関の拠点、ロンドン撤退へ=

ビジネス

米GDP第1四半期1.1%増に上方修正、個人消費は

ビジネス

ポンド急反発・ユーロ上昇、利益確定の動き=NY市場

MAGAZINE

特集:BREXITの衝撃

2016-7・ 4号(6/28発売)

世界を揺るがせたイギリス国民投票のEU離脱派勝利。リーマン危機級のパニックが再びグローバル経済を襲うのか

人気ランキング (ジャンル別)

  • 最新記事
  • コラム
  • ニュース速報
  1. 1

    もし第3次世界大戦が起こったら

  2. 2

    英キャメロン首相「EU離脱派6つのウソ」

  3. 3

    ハーバードが絶賛する「日本」を私たちはまだ知らない

  4. 4

    ISISが3500人のNY「市民殺害リスト」をアプリで公開

    無差別の市民を選び出し、身近な標的を殺せと支持…

  5. 5

    未婚男性の「不幸」感が突出して高い日本社会

  6. 6

    財政赤字を本気で削減するとこうなる、弱者切り捨ての凄まじさ

  7. 7

    「国家崩壊」寸前、ベネズエラ国民を苦しめる社会主義の失敗

  8. 8

    Windows10の自動更新プログラム、アフリカのNGOを危険にさらす

  9. 9

    搾取されるK‐POPのアイドルたち

  10. 10

    コンビニATM14億円不正引き出し、管理甘い日本が狙われる

    アフリカ諸国、東欧、中東などでは不正分析ソフト…

  1. 1

    レイプ写真を綿々とシェアするデジタル・ネイティブ世代の闇

    ここ最近、読んでいるだけで、腹の底から怒りと…

  2. 2

    英国のEU離脱問題、ハッピーエンドは幻か

    欧州連合(EU)にさらに権限を委譲すべきだと答え…

  3. 3

    伊勢志摩サミットの「配偶者プログラム」はとにかく最悪

    <日本でサミットなどの国際会議が開催されるたび…

  4. 4

    嫌韓デモの現場で見た日本の底力

    今週のコラムニスト:レジス・アルノー 〔7月…

  5. 5

    日本で盛り上がる「反知性主義」論争への違和感

    日本で「反知性主義」という言葉が流行している…

  6. 6

    間違い電話でわかった借金大国の悲しい現実

    ニューヨークに住み始めた僕は、まず携帯電話を手…

  7. 7

    移民問題が「タブー」でなくなったわけ

    ここ数年、僕たちイギリスの国民は、一部の政治…

  8. 8

    【市場】いよいよ終わりの始まりが始まった

    いよいよ終わりの始まりが始まった。それは日銀のマ…

  9. 9

    中古ショップで見える「貧困」の真実

    時々僕は、自分が周りの人々とは違った経済的「…

  10. 10

    パックンが斬る、トランプ現象の行方【後編、パックン亡命のシナリオ】

    <【前編】はこちら> トランプ人気は否めない。…

  1. 1

    メルセデス・ベンツの長距離EV、10月に発表=ダイムラー

    ドイツの自動車大手ダイムラーは、メルセデス・…

  2. 2

    米フロリダ州の乱射で50人死亡、容疑者は警備最大手に勤務

    米フロリダ州オーランドの、同性愛者が集まるナ…

  3. 3

    英国のEU離脱派と残留派、なお拮抗=最新の世論調査

    11日に公表された世論調査によると、英国の欧…

  4. 4

    英EU離脱は連合王国のリスク、元首相2人が警告

    英元首相のトニー・ブレア氏とジョン・メージャ…

  5. 5

    ECBのマイナス金利、銀行に恩恵=コンスタンシオ副総裁

    欧州中央銀行(ECB)のコンスタンシオ副総裁…

  6. 6

    米国株式市場は続落、原油安と世界経済懸念が重し

    米国株式市場は2日続落で取引を終えた。原油が…

  7. 7

    NY市場サマリー(10日)

    <為替> 原油安や銀行株主導で世界的に株安が…

  8. 8

    焦点:タカタ再建、「ラザード」効果で進展か 車各社との調整に期待

    欠陥エアバッグ部品の大量リコール(回収・無償…

  9. 9

    インタビュー:世界的な低金利、エンダウメント型投資に勝機=UBSウェルス

    UBSウェルス・マネジメントのグローバルCI…

  10. 10

    英国民投票、「EU離脱」選択で何が起こるか

    欧州連合(EU)は6月23日の英国民投票を控…

定期購読
期間限定、アップルNewsstandで30日間の無料トライアル実施中!
メールマガジン登録
リクルート
売り切れのないDigital版はこちら

MOOK

ニューズウィーク日本版別冊

0歳からの教育 育児編

絶賛発売中!

コラム

パックン(パトリック・ハーラン)

モハメド・アリ、その「第三の顔」を語ろう

STORIES ARCHIVE

  • 2016年6月
  • 2016年5月
  • 2016年4月
  • 2016年3月
  • 2016年2月
  • 2016年1月