最新記事

語学教育

アメリカ人が中国語を嫌う理由

2010年12月21日(火)14時31分
ジェリー・クオ

 最近の経済危機でアメリカ人は中国の競争力の脅威を強く感じているはず。それでもアメリカ人は中国語学習に消極的だ。

 ワシントンにある応用言語学センターの調査によると、外国語の授業を行っているアメリカの中等教育段階の約2万7500校のうち、中国語のクラスがあるのは4%だけだ。

 97年の1%から比べれば大幅な増加には違いない。だが、会話に使われないラテン語を教えている学校の割合は13%、ディナーの同席者を感心させることがほぼ唯一の使い道であるフランス語は約40%に上る。13億人の中国人と外国に住む数百万単位の中国系住民が使う中国語が不人気なのはなぜか?

 その答えは外国語の授業への政府の支援がお粗末なことだ。

 02年に成立した教育改革法で重視されたのは数学と読解で、外国語の扱いは悪くなった。昔から人気があったフランス語やドイツ語、ロシア語の授業も減らされるなか、他の外国語に比べて教師や教材をそろえるのに資金や手間がかかる中国語は逆風にさらされている。

 学習の難しさも、中国語を学ぶアメリカ人が増えにくい一因だろう。漢字をたくさん覚えなければならないし、発音の習得も簡単ではない。

[2010年12月22日号掲載]

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

原油先物は小動き、米中協議控え

ビジネス

川崎重、26年3月期は1.3%増益予想 市場予想下

ビジネス

日経平均は続伸、3万7000円台回復 米英合意や円

ビジネス

消費支出、3月は2.1%増で予想上回る 節約志向で
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
  • 2
    ついに発見! シルクロードを結んだ「天空の都市」..最新技術で分かった「驚くべき姿」とは?
  • 3
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 4
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つ…
  • 5
    骨は本物かニセモノか?...探検家コロンブスの「遺骨…
  • 6
    中高年になったら2種類の趣味を持っておこう...経営…
  • 7
    恥ずかしい失敗...「とんでもない服の着方」で外出し…
  • 8
    あのアメリカで「車を持たない」選択がトレンドに …
  • 9
    日本の「治安神話」崩壊...犯罪増加と「生き甲斐」ブ…
  • 10
    教皇選挙(コンクラーベ)で注目...「漁師の指輪」と…
  • 1
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 2
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つの指針」とは?
  • 3
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得る? JAXA宇宙研・藤本正樹所長にとことん聞いてみた
  • 4
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 5
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗…
  • 6
    古代の遺跡で「動物と一緒に埋葬」された人骨を発見.…
  • 7
    シャーロット王女とスペイン・レオノール王女は「どち…
  • 8
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
  • 9
    日々、「幸せを実感する」生活は、実はこんなに簡単…
  • 10
    インドとパキスタンの戦力比と核使用の危険度
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 4
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 5
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 6
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つ…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 10
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中