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インド男性に広まる「美白」ブーム

2010年8月24日(火)13時18分
サリサ・ライ(バンガロール)

「成功の鍵」 ムンバイのショッピング街に並ぶ男性向け美白化粧品 Prashanth Vishwanathan-Bloomberg/Getty Images

 美白クリームの売り上げが年間5億ドルを上回るインドでは近年、男性の間で空前の美白ブームが起きている。市場調査会社ニールセンの統計によれば、男性向けの美白クリームの売り上げは年率30%近い成長を見せており、今では女性部門の成長率を追い抜いている。

「若い男性は肌を白くすることで女性にモテるようになり、就職の面接にも有利だと考えている」と、南部の都市バンガロールのショッピング街でサロンを営むラフィクール・ラーマンは言う。

 テレビや雑誌の広告も、絶えずこんなメッセージを発信している。「夢の仕事を手に入れるにも、美女を射止めるにも、成功の鍵は明るく白い肌だ」

 インドでは、肌の色はデリケートな問題だ。歴史的に、白い肌はカースト制度の高い階級であることの証しだった。新聞の結婚相手募集欄からも白い肌への執着が見て取れる。色黒の男性や女性は、肌の色を理由に花嫁・花婿候補が遠ざからないように、「小麦色の肌」という表現を使うことも多い。

 だが、「色白=美しい」という固定観念に反発する者もいる。男性が学ぶべきなのは「色白になる方法ではなく、より健康的な肌になる方法だ」と、バンガロールでモデルや俳優を育成するプラサード・ビダッパは語る。

GlobalPost.com 特約)

[2010年8月25日号掲載]

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