宇宙からしか見えない日食、NASAの観測衛星が撮影に成功
NASA Satellite Catches Solar Eclipse Visible Only From Space

NASAの衛星が捉えた「宇宙限定の日食」...太陽を横切る黒い月の影(写真はイメージです) Jametlene Reskp-Unsplash
<地球からは見えなかった幻の日食を、NASAの観測衛星が宇宙空間から撮影した。月が太陽の一部を遮る瞬間を、地球の誰も目にすることなく、衛星が静かに記録していた>
宇宙からしか見えない日食の映像を捉えることに、アメリカ航空宇宙局(NASA)の観測衛星が成功した。
月が太陽の23%を遮る部分日食は4月27日に発生。この現象を地球から見ることはできなかった。
しかしNASAの衛星は、日食の始まりから終わりまでを記録していた。
衛星から地球に届いた映像には、まず完全な形の太陽が映っている。続いて月が黒い大きな球体となって太陽の前を通り過ぎ、太陽のほぼ4分の1を視界から遮った。
2010年に打ち上げられたNASAの観測衛星「ソーラー・ダイナミクス・オブザーバトリー(SDO)」は太陽に向けられた半自律型衛星で、ほぼ継続的な観測ができる。
SDOは公転周期が地球の自転と完全に一致する静止軌道上にあり、地球から見ると常に空の同じ位置にとどまっているように見える。
天文サイトのspaceweather.comによると、SDOは月の通過、つまり日食を年に数回観測している。その多くは地球からは見えない。