夏の終わりに襲い掛かる「8月病」...心理学のプロが伝授する「夏の憂鬱」に打ち勝つ方法
Feeling Anxious? It's Not Just You—The 'August Scaries' Are Very Real
「脳内では、計画や自己調整を担う前頭前野と、脅威を探知する扁桃体との間で綱引きが起きている。こう考えてみてほしい。8月になると、扁桃体も休暇から戻ってきて、しばしば前頭前野に勝ってしまう。実際に危険があるわけではなくても、脳は『これからやってくる要求』をリスクとして捉えてしまう」とニアニー氏は語っている。
ニアニー氏は続けて、「これは、厳しい季節の到来を前にして祖先たちが感じていた不安と同じ神経回路によるもの。ただ現代では、私たちが備えている『秋』や『冬』が、会議や子どもの送り迎え、締め切りという形になっているだけ」と説明する。
こうした感覚を和らげるために、ニアニー氏は9月が本格的に始まる前に、日常のリズムを少しずつ取り戻すことを提案している。
そのうえで、1つは「自発的な活動」を残しておくこと、そして気分の落ち込みが深刻な場合には、非侵襲の脳刺激療法(※外科手術を伴わない脳への刺激治療)の選択肢を検討するのも1つの方法だという。
気候心理学の教育者でありセラピストでもあるレスリー・ダベンポート氏も、「8月は『移行のプレッシャー』と『夏の心地よさの喪失』が入り混じる時期だ」と述べている。
「まず知っておいてほしいのは、これは『普通のこと』だということ。この感情が起きていると認識し、『そういえば去年もこうだった』と一度思い出すだけで、少しずつ緊張は和らぐ。それに、楽しい時間や冒険が完全に終わってしまうわけではないということも、忘れないでほしい」とダベンポート氏は語った。