最新記事
BOOKS

会議での発言が男性より少ない女性たち。女性が男性よりも自信が持てない理由を科学する

2025年6月17日(火)11時00分
キャティー・ケイ、クレア・シップマン
なぜ女性は自信が不足しているのか

なぜ女性は自信が不足しているのか(画像はイメージです)shutterstock/MAYA LAB

<女性たちは「努力は報われるもの」と信じて頑張り続ける傾向にある。しかし、どれだけ努力してもいまだ自信が持てない状況にあるのはなぜだろうか。この現象は、日本人女性に限った話ではないのである。>

本記事では、10年以上ロングセラーになっている『なぜ女は男よりも自信をもてないのか』(CEメディアハウス)を参考に考えてみたい。

本書は、アメリカで活躍する女性たちへの取材だけでなく、科学的な側面からも女性の「自信のなさ」を明らかにし、アメリカで物議を醸し「自信」論争の発端となった一冊である。

<1回目はこちら>

自信の欠如から発言数が少なくなる女性たち

「女性が自分たちの能力を低く見積もりがちなのは、女性たちがチャンスを自ら手に入れに行きたいと思っているかどうかということを表わしています」アーリンガーが言う。

「彼女たちは一般的に自分の能力に対してあまり自信がないため、成果を求められるタスクを遂行しているときも、自信がもてません。そのため、自らチャンスを追求したがらなくなってしまうのです」自信の欠如が招く、具体的な例だった。

私たちが本能的に感じていたことを、データは裏づけている。例えば、私たちは女性の数が圧倒的に少ない現場では、ほとんどの女性の口数が少なくなることを知っている。

会議室に入り、なかを見て、部屋の後ろのほうに座ろうと決める。会議中、それほどすばらしいアイデアでないと思うものは、自分たちの胸にしまっておく。

そして、隣に座った男性の同僚が、自分が胸にしまったそのアイデアとまったく同じことを提案し、それがとても賢く聞こえたときは、自分自身に対して腹を立てるのだ。

プリンストン大学の研究チームは、ボランティアのグループに話し合いが必要なタスクを与え、男女の比率を変えた場合、女性の発言数がどのくらい少なくなるか調査した。

あるケースでは、女性のほうがマイノリティの場合、男性より75%も発言率が下がったという。

私たちは、自分の発言がそれほど価値のないものだと思っているのだろうか? それとも、ただそれを吐き出す度胸がないだけ? どちらにしろ、私たちは自分を軽く見ている。

重要なのは、ほとんど女性しかいない部屋に入れられた男性の発言数は、いつもと変わらなかった、ということだ。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、イランの核兵器完全放棄望む 特使派遣の

ビジネス

金価格、年内に3000ドル割れも 需要低迷と成長見

ビジネス

韓国、対米通商交渉を加速へ 米韓首脳会談は中止

ワールド

貿易協議で合意の可能性あるが日本は「タフ」=トラン
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:コメ高騰の真犯人
特集:コメ高騰の真犯人
2025年6月24日号(6/17発売)

なぜ米価は突然上がり、これからどうなるのか? コメ高騰の原因と「犯人」を探る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロットが指摘する、墜落したインド航空機の問題点
  • 2
    「タンパク質」より「食物繊維」がなぜ重要なのか?...「がん」「栄養」との関係性を管理栄養士が語る
  • 3
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高にかっこいい」とネット絶賛 どんなヘアスタイルに?
  • 4
    若者に大不評の「あの絵文字」...30代以上にはお馴染…
  • 5
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波で…
  • 6
    50歳を過ぎた女は「全員おばあさん」?...これこそが…
  • 7
    イタリアにある欧州最大の活火山が10年ぶりの大噴火.…
  • 8
    林原めぐみのブログが「排外主義」と言われてしまう…
  • 9
    サイコパスの顔ほど「魅力的に見える」?...騙されず…
  • 10
    「うちの赤ちゃんは一人じゃない」母親がカメラ越し…
  • 1
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の瞬間...「信じられない行動」にネット驚愕
  • 2
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロットが指摘する、墜落したインド航空機の問題点
  • 3
    大阪万博は特に外国人の評判が最悪...「デジタル化未満」の残念ジャパンの見本市だ
  • 4
    「セレブのショーはもう終わり」...環境活動家グレタ…
  • 5
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高に…
  • 6
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波で…
  • 7
    ファスティングをすると、なぜ空腹を感じなくなるの…
  • 8
    「タンパク質」より「食物繊維」がなぜ重要なのか?.…
  • 9
    右肩の痛みが告げた「ステージ4」からの生還...「生…
  • 10
    アメリカは革命前夜の臨界状態、余剰になった高学歴…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 3
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊の瞬間を捉えた「恐怖の映像」に広がる波紋
  • 4
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 5
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 6
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 7
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 8
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 9
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
  • 10
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中