最新記事
健康

睡眠中に体内は大掃除されている...「寝ているあいだにキレイになる」は本当だった

2025年2月8日(土)09時15分
デイヴ・アスプリー(起業家、投資家、「ブレットプルーフ」創設者)
睡眠

Katniss12-pixabay

<一日の食事を食べ終えるべき時間を決めるのにも、睡眠サイクルが役に立つ理由について>

ファスティングはツラいものではなく、やっていて楽しくなるもの。数々のダイエットに挫折してきた著者が、「ファスティング」を再定義。睡眠中もファスティングしていた!? 

シリコンバレー式 心と体が整う最強のファスティング(CCCメディアハウス)より第5章「よい睡眠のためのファスティング、よいファスティングのための睡眠」を一部編集・抜粋。


 
◇ ◇ ◇

良質の睡眠を得ることは、断食の効果を高めるのに最も有効な方法のひとつだ。単純に考えて両者の関係は明白だ。寝ているあいだは食べないので、睡眠は「16:8ファスティング」(編集部注:1日のうち16時間は断食し、それ以外の8時間に食事を摂るというサイクルを繰り返す)をうんとラクにしてくれる。

だが、それだけではない。睡眠は断食同様に、体内の細胞と生化学的プロセスに影響を及ぼす。(編集部注:基本原則は、何かを断つ期間とふだんどおりの行動をとる期間を交互に繰り返す)断続的ファスティングと(研究者が「良質な睡眠衛生」と呼ぶ)健康的な睡眠パターンの組み合わせは、相乗的な効果をもたらすのだ。

睡眠の具体的な効果はよく知らなくても、それが生命維持にいかに不可欠なものかは容易に理解できる。僕らは平均で人生の3分の1を、意識がなく、動かず、目や耳からの刺激に反応せずに過ごしている。心地よい寝室で寝る現代人にはなんの問題もないが、僕らの祖先にとって睡眠が何を意味していたかを考えてみよう。

彼らは3分の1の時間を外敵の攻撃からひどく無防備な状態でいたことになる。生存戦略の点からすると睡眠は最悪で、進化の過程であっさりふるい落とされていたとしても不思議はないように思える。にもかかわらず、人間は誰もが眠る。生きている動物はみな眠る。

科学者によれば[*1]、5億年以上前のエディアカラ紀に初めて地球上に動物が生まれてこの方、それは変わらない事実である[*2]。

進化は容赦ないほどに効率重視だ。眠らない動物がいないということは、睡眠はあなたを食べようとする肉食動物から逃げることよりも重要な、生命にとってなくてはならないものに違いない。敬意をもって扱わなくては。

まる一日以上眠らずにいて、倒れて死にそうだと思ったことはあるだろうか。睡眠不足が死を招くというのは本当だ。

SDGs
2100年には「寿司」がなくなる?...斎藤佑樹×佐座槙苗と学ぶ「サステナビリティ」 スポーツ界にも危機が迫る!?
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ステファニク下院議員、NY州知事選出馬を表明 トラ

ビジネス

米ミシガン大消費者信頼感、11月速報値は約3年半ぶ

ワールド

イラン大統領「平和望むが屈辱は受け入れず」、核・ミ

ワールド

米雇用統計、異例の2カ月連続公表見送り 10月分は
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 2
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2人の若者...最悪の勘違いと、残酷すぎた結末
  • 3
    「路上でセクハラ」...メキシコ・シェインバウム大統領にキスを迫る男性を捉えた「衝撃映像」に広がる波紋
  • 4
    クマと遭遇したら何をすべきか――北海道80年の記録が…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    なぜユダヤ系住民の約半数まで、マムダニ氏を支持し…
  • 7
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 8
    長時間フライトでこれは地獄...前に座る女性の「あり…
  • 9
    【銘柄】元・東芝のキオクシアHD...生成AIで急上昇し…
  • 10
    「これは困るよ...」結婚式当日にフォトグラファーの…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 5
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 6
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 7
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 8
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 9
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 10
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中