最新記事

教育

激変する「成績が良い」の基準──世界に遅れていた日本の初等中等教育が変わる

2022年8月15日(月)13時02分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部
学生

xavierarnau-iStock

<英語が必修になり、パソコン/タブレット端末は1人1台配布──教育の「大改革」が進んでいる。これから10年後、社会で通用する人間になるために必要なことは何か>

小学校で英語が必修になり、小中学生全員にパソコンもしくはタブレット端末が配布されていくなど、教育現場の大改革が起きている。「グローバルな技術革新への登竜門を子どもたちへ」との理念を標ぼうする「ギガスクール構想」である。

31歳から本格的に英語を学習し、米国のグーグル本社で副社長を務めた村上憲郎氏は、このギガスクールで育った第一世代が、これから10年後、日本の「会社を大変革させる」と言う。「成績が良い」の基準が、劇的に変わるからだ。

その基準とは何なのか。これから求められる優秀な人材とは何か。

大ベストセラー『村上式シンプル英語勉強法』でも知られる村上氏はこのたび、『Googleが教えてくれた 英語が好きになる子の育てかた』(CCCメディアハウス)を出版。英語力の伸ばし方だけでなく、子供も大人も目的をもって自分を更新し続ける米国流教育の秘訣をわかりやすく記した同書から、3回に分け抜粋する(この記事は第2回)。

※第1回:グーグル元副社長が教える、英語が下手な親でも子どもの英語力を伸ばせる方法

◇ ◇ ◇

ギガスクール構想──日本の教育の大改革

いまから2、3年ほど前の話です。世界各国がオンライン授業を導入しはじめたとき、「日本だけがうまくできないのではないか」という話になりました。いまでも日本のデジタル技術の導入や活用の遅れは問題になっていますが、すでに世界との差は認識されていたわけです。

そこで文部科学省が予算をつけ、2020年の3月31日までに、小中学生全員にパソコンもしくはタブレット端末を配布することが決まり、実行しました。これが「ギガスクール構想」と呼ばれるプロジェクトです。

「ギガ」は「GIGA」で、「Global and Innovation Gateway for All(グローバルな技術革新への登竜門を全員の子どもたちへ)」の意味を持つ名称です。ということで、日本の教育の世界ではすでに大きな変革がはじまっています。

もちろん、初年度の2021年度は、新しい文房具(パソコン)を使いこなすのが精いっぱいでした。先生も生徒たちも、四苦八苦だったようです。しかし、徐々に、単に新しい文房具を使いこなすといった段階から、さらに先へ進み、新しい教育の試みがはじまっています。


Googleが教えてくれた 英語が好きになる子の育てかた
 村上憲郎 著
 CCCメディアハウス

(※画像をクリックするとアマゾンに飛びます)

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

中国、今後5年間で財政政策を強化=新華社

ワールド

インド・カシミール地方の警察署で爆発、9人死亡・2

ワールド

トランプ大統領、来週にもBBCを提訴 恣意的編集巡

ビジネス

訂正-カンザスシティー連銀総裁、12月FOMCでも
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界最高の投手
特集:世界最高の投手
2025年11月18日号(11/11発売)

日本最高の投手がMLB最高の投手に──。全米が驚愕した山本由伸の投球と大谷・佐々木の活躍

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 2
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃度を増やす「6つのルール」とは?
  • 3
    ヒトの脳に似た構造を持つ「全身が脳」の海洋生物...その正体は身近な「あの生き物」
  • 4
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 5
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 6
    「不衛生すぎる」...「ありえない服装」でスタバ休憩…
  • 7
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 8
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 9
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 10
    「腫れ上がっている」「静脈が浮き...」 プーチンの…
  • 1
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 2
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 3
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前に、男性が取った「まさかの行動」にSNS爆笑
  • 4
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 5
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 8
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 9
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 10
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった.…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中