最新記事

投資の基礎知識

金融庁も激怒した、日本の投資信託のイケてなさ

2018年11月9日(金)14時55分
網代奈都子 ※株の窓口より転載

金融庁の「説明資料」を見れば分かる Toru Hanai-REUTERS

<投資信託のうち「アクティブ運用」のほうが魅力的に見えるが、気づかれにくい落とし穴がある。なぜ「イケていない」のか、3つのポイントから解説する>

投資信託には、大きく分けて2つのタイプがあります。ひとつは日経平均株価など各種指標に連動する「インデックス運用」、もうひとつは「アクティブ運用」で、ファンドマネージャーと呼ばれる運用担当者が自由に構成銘柄を選出します。

「ということは、金融のプロが運用してくれるっていうことだから、アクティブ運用のほうが良さそう」と思った人は要注意! 魅力的に見えるアクティブ運用も、実は気づかれにくい落とし穴があるのです。

実際、金融庁もアクティブ運用の投資信託にお怒りのご様子。では一体、何に対して怒っているのでしょうか?

日本の投信はイケていない⁉

金融庁が怒っている、その根拠ともいえるのが2017年3月30日に出された、その名も「説明資料」です。名前のそっけなさがお役所っぽいですが、この資料においてやり玉に挙げられているのが「日本の投資信託のイケてなさ」なのです。

どこがどれくらいイケていないのが、説明資料を見ながら確認していきましょう。

イケてない① 規模の大きい投信でアクティブ運用が多い

下図のように、日本では純資産額が多い=人気のある投資信託は、アクティブ運用100%です。一方、アメリカはアクティブ運用とインデックスがほぼ半々となっています。

kabumado181109_1b.png

これは、日本人がアクティブ運用が大好きだから、とも言えますが、その一方で、日本の金融機関がアクティブ運用を熱心に「推し」ているから、とも言えます。実は、金融庁が怒っているのは、まさに"そこ"なのです。

イケてない② 手数料が高い

投資信託の取引には手数料が発生しますので、金融機関としては当然、より多くの手数料を稼げる投信を売りたいところ。そう、アクティブ運用の投信は、インデックス運用と比べて手数料が割高な場合がほとんどなのです。

●投資信託の手数料ってどんなもの?

投資信託にかかる手数料は「販売手数料」と「信託報酬」の2種類です。

販売手数料とは投資信託の購入時にかかる手数料で、信託報酬とは管理手数料のようなものです。販売手数料のない投信は「ノーロード」と呼ばれて最近人気ですが、販売手数料が無料でも信託報酬が高い場合があるので、注意が必要です。

日本はアメリカに比べて明らかに販売手数料も信託報酬も高いことが、説明資料の表からもよくわかりますが、これは「インデックス運用よりアクティブ運用が多いから」と言えます。

kabumado181109_2.png

アクティブ運用はインデックス運用のような「沿うべき指標」を持たない投資信託です。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

トランプ氏「利下げに前向きと確信」、次期FRB議長

ビジネス

米PPI、12月は前月比0.5%上昇 5カ月ぶりの

ワールド

FRBの利下げ見送りは失策、ウォーシュ氏は議長に適

ワールド

イラン外相「公正なら」米と協議も、防衛問題には難色
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市 vs 中国
特集:高市 vs 中国
2026年2月 3日号(1/27発売)

台湾発言に手を緩めない習近平と静観のトランプ。激動の東アジアを生き抜く日本の戦略とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ロシア軍の前線で「弾よけ」にされるアフリカ人...兵士供給に悩むロシアが行う「外道行為」の実態
  • 2
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「副産物」で建設業界のあの問題を解決
  • 3
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界でも過去最大規模
  • 4
    日本はすでに世界第4位の移民受け入れ国...実は開放…
  • 5
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパ…
  • 6
    日本経済を中国市場から切り離すべきなのか
  • 7
    麻薬中毒が「アメリカ文化」...グリーンランド人が投…
  • 8
    秋田県は生徒の学力が全国トップクラスなのに、1キロ…
  • 9
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 10
    「外国人価格」で日本社会が失うもの──インバウンド…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 3
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界でも過去最大規模
  • 4
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 5
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「…
  • 6
    一人っ子政策後も止まらない人口減少...中国少子化は…
  • 7
    スペースXの宇宙飛行士の帰還が健康問題で前倒しに..…
  • 8
    町長を「バズーカで攻撃」フィリピンで暗殺未遂、大…
  • 9
    ロシア軍の前線で「弾よけ」にされるアフリカ人...兵…
  • 10
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 3
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 6
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 7
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 8
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
  • 9
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 10
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中