中国自動車大手「アフリカを玄関口に」...関税逆風の中で新興市場に賭ける
南アにおいて、ハイブリッド車とEVを合わせた新エネルギー車の販売台数は昨年1万5611台とまだ絶対数が少ないが、2023年からは2倍以上に増えている。新車販売全体に占める比率は3%だった。
チェリーのリュー氏は「中国での当社の経験を踏まえると、新エネルギー車のシェアが10%前後に達すれば、需要の爆発的増加が始まる」と説明し、今後に期待を寄せる。
中国車に対しては品質や交換部品の入手しやすさ、リセール価値などの面で消費者が疑念を持っているが、各メーカーは低価格と先進技術装備によって従来のアフリカ市場で主導的な役割を担ってきたライバルとの差別化を図ろうとしている。
中国メーカーが南アで設定しているEVとPHVの最低価格は40万ランド(2万2500ドル)未満だ。
アクセンチュアのグレッグ・クレス氏は、中国メーカーが初期費用の面で値ごろ感を維持する限り、同様の性能を提供するレガシーブランドと差別化できる」と指摘した。
BYD幹部のスティーブ・チャン氏は、アフリカ市場がまだエンジン車が主体でEV採用が遅れている現状にもひるんでいない。「南アと他のアフリカ地域はエンジン車から再生可能エネルギー(車)に一足飛びで移行する大きなチャンスがあると考えている。アフリカは本当に巨大な市場だ」と述べた。


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