ヘビはどうして「脚を失った」のか?...1億6700万年前の「偽ヘビ」化石が握る、謎を解くカギとは?
Mysterious Jurassic Reptile May Reveal How Snakes Lost Their Legs

ミドリニシキヘビ David Clode-Unsplash
<スコットランドのスカイ島で見つかった「ヘビのようなトカゲのような」化石。予測不能な進化の謎は解けるのか?>
「ヘビはどうやって脚を失ったのか?」──まるでイソップ寓話のような問いに答えるための手がかりは、1億6700万年前の鋭い歯をもつ奇妙なトカゲが握っているのかもしれない。
【画像】ヘビとトカゲの「ちょうど中間」に見える...1億6700万年前の「偽ヘビ」の姿
研究者たちは、ジュラ紀に生息していたある爬虫類の化石を発見した。その化石は、現代のヘビとヤモリという、系統的には大きく異なる2種の特徴をあわせもっている。
この「偽のヘビ」ことブリュナタイル・エルゴレンシス(Breugnathair elgolensis)は、現在のスコットランドに生息していた種で、ヘビの進化の過程に新たな視点を投げかけている。
この化石は、これまでに発見された中でも特に古く、全体像がよく残っているトカゲの化石の一つで、アメリカ自然史博物館、ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン、国立スコットランド博物館、フランス、南アフリカの研究機関による国際共同研究として、学術誌『ネイチャー』で報告された。
スカイ島の「偽のヘビ」
ブリュナタイル・エルゴレンシスという名前は、「エルゴルの偽のヘビ」という意味。2016年にスコットランドのスカイ島にある村エルゴル(Elgol)で発見されたことに由来している。
この爬虫類は奇妙な特徴をあわせ持っていた。アゴはヘビのように細長く、歯は現代のニシキヘビに似たカギ状の湾曲をしていた。一方で、胴体は短く、トカゲのように完全な四肢を備えていた。研究チームによれば、この相反する特徴の組み合わせが、この化石の重要性を際立たせているという。