安川電機、今期の営業益予想を上方修正 米関税コスト想定引き下げ

10月3日、 安川電機は2026年2月期(国際会計基準)の連結営業利益予想を430億円から480億円に上方修正した。写真は同社のロゴ。パリ近郊で開かれた展示会で2024年3月撮影(2025年 ロイター/Benoit Tessier)
Kentaro Okasaka
[東京 3日 ロイター] - 安川電機は3日、2026年2月期(国際会計基準)の連結営業利益予想を430億円から480億円に上方修正した。前年実績からの減益幅は14.3%から4.3%に縮小する。米関税によるコスト影響を65億円と見込んでいたが、関税率が15%で妥結したことなどを踏まえ、35億円に引き下げた。
米関税政策の影響などで不透明な状況が継続しているものの、上期(25年3-8月)の実績や足元の需要環境を考慮し、上方修正した。IBESがまとめたアナリスト20人のコンセンサス予想の平均値480億円と同水準。米関税のコストは価格転嫁でほぼ回収する方針。
会見した小川昌寛社長は、日米関税交渉で合意した日本の対米投融資枠5500億ドル(約80兆円)について「中身がまだ全然見えていないが、米国で事業展開する者として、投資という行為はわれわれの追い風になるとは思っている」と語った。
売上収益の約2割を占める中国での業況については「ボリューム感、収益性もかなり改善してきた。霧が明けたとは言わないが、少し見通し感が出てきた」と述べた。
同時に発表した3-8月期の営業利益は同1.8%増の233億円だった。
主力の「モーションコントロール」事業は売上収益が同5.5%減の1128億円、営業利益は同9.2%増の120億円だった。日本と欧州での需要回復を確実に売り上げにつなげ、想定通りの着地となった。ACサーボモーター・コントローラは、米州やアジアの半導体市場向け販売が減少したものの、日本の電子部品市場向けを中心に大きく伸びたため、全体の売上収益は微増となった。
同社は7月、営業利益予想を600億円から430億円に引き下げた。米関税政策の影響で、需要の先行きに不透明感が高まったことを理由に挙げていた。