最新記事
退職

GW明けに退職代行の利用が急増する!?ブラック企業だけではない、ホワイト企業でも続発する背景とは

2025年4月28日(月)09時16分
横山 信弘(経営コラムニスト)*PRESIDENT Onlineからの転載
GW明けに新卒の退職代行の利用が急増する!?ホワイト企業でも続発する理由とは

Kmpzzz -shutterstock-

<退職代行の利用は若手だけではなく、50~60代でも増えている。簡単に会社を辞められる便利さの一方で、利用にはその後の転職やキャリアへの影響という落とし穴も...>

退職代行サービス「モームリ」の運営会社によると、年末年始連休明けの1月6日、過去最多となる256件の退職依頼があったという。

経営コラムニストの横山信弘さんは「退職代行の登場は2000年代後半から2010年代初頭とされていて、最近登場したサービスではない。利用者が急増している背景には、3つのポイントがあるのではないか」という──。

9連休明けに依頼殺到した「退職代行サービス」

今年の年末年始の休みは長かった。「奇跡の9連休」とまで言われるほどだった。


しかし、この長い冬休みのあとに、企業を震わせる驚きの事態が待っていた。退職代行を利用して会社を去る人が急増しているという。

若い世代だけでなく、50~60代でも利用が増えているらしい。退職代行は簡単に退職を進められる反面、会社側や残る社員にとっては複雑な問題をもたらすことがある。なぜ人々は退職代行を使うのか。そして、このような動きは職場を健全化するのだろうか。

意外なことに、必ずしもブラック企業や労働環境の悪い企業だけが退職代行を使われているわけではない。

今回は退職代行を利用する人、そして利用される職場の課題について考察する。退職代行サービスの利用を検討している人や、人材管理に悩んでいる企業担当者は、ぜひ最後まで読んでもらいたい。

マジメすぎて退職を言い出せないという人も

退職代行とは、利用者に代わって会社へ退職の意思を伝え、必要書類の手配などを行うサービスのこと。特長は、利用者が直接上司や会社にコンタクトをとらなくても手続きを進められる点だ。

とりわけハラスメントの恐れがある場合や、強い引き止めにあって心労が募るケースなら、こんなに心強いサービスはないだろう。さらに最近では、マジメすぎて自分で退職を言い出せない人も利用しているという。

長い休暇明けは心も体もリセットされやすい時期だ。日ごろの仕事や職場環境への不満が一気に噴き出すことがある。年末年始やゴールデンウィークなどの長期休暇直後に利用者数が急増するのはこのためだ。

私の知人の会社でも、年明けにいきなり2人、退職を申し出されたと言って嘆いていた(退職代行サービスを利用されたわけではない)。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

石破首相「双方の利益になるよう最大限努力」、G7で

ワールド

米中貿易枠組み合意、軍事用レアアース問題が未解決=

ワールド

独仏英、イランに核開発巡る協議を提案 中東の緊張緩

ワールド

イスラエルとイランの応酬続く、トランプ氏「紛争終結
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:非婚化する世界
特集:非婚化する世界
2025年6月17日号(6/10発売)

非婚化・少子化の波がアメリカもヨーロッパも襲う。世界の経済や社会福祉、医療はどうなる?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「タンパク質」より「食物繊維」がなぜ重要なのか?...「がん」「栄養」との関係性を管理栄養士が語る
  • 2
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高にかっこいい」とネット絶賛 どんなヘアスタイルに?
  • 3
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波でパニック...中国の輸出規制が直撃する「グローバル自動車産業」
  • 4
    サイコパスの顔ほど「魅力的に見える」?...騙されず…
  • 5
    林原めぐみのブログが「排外主義」と言われてしまう…
  • 6
    メーガン妃とキャサリン妃は「2人で泣き崩れていた」…
  • 7
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 8
    さらばグレタよ...ガザ支援船の活動家、ガザに辿り着…
  • 9
    ハルキウに「ドローン」「ミサイル」「爆弾」の一斉…
  • 10
    若者に大不評の「あの絵文字」...30代以上にはお馴染…
  • 1
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の瞬間...「信じられない行動」にネット驚愕
  • 2
    大阪万博は特に外国人の評判が最悪...「デジタル化未満」の残念ジャパンの見本市だ
  • 3
    「セレブのショーはもう終わり」...環境活動家グレタらが乗ったガザ支援船をイスラエルが拿捕
  • 4
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波で…
  • 5
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高に…
  • 6
    ファスティングをすると、なぜ空腹を感じなくなるの…
  • 7
    今こそ「古典的な」ディズニープリンセスに戻るべき…
  • 8
    アメリカは革命前夜の臨界状態、余剰になった高学歴…
  • 9
    右肩の痛みが告げた「ステージ4」からの生還...「生…
  • 10
    脳も体も若返る! 医師が教える「老後を元気に生きる…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 3
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 4
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊…
  • 5
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 6
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 7
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 8
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 9
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 10
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中