最新記事
日本社会

コメ高騰の犯人はJAや買い占めではなく...日本に根付く「コメ本位制」「食管制度」の亡霊とは?

2025年6月15日(日)22時10分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部
小泉進次郎、米騒動、コメ高騰、試食会、加谷珪一、長岡義博、コメ価格、米価、備蓄米、農家、農地、令和の米騒動

備蓄米の試食会で話す小泉農相(5月29日)KIM KYUNG-HOONーREUTERS

<高騰の仕組みと今後の価格の行方を経済評論家の加谷珪一氏が動画で解説。備蓄米放出の効果やコメとほかの商品の決定的違い、日本人とコメの歴史的関係を深掘りする>

コメは元々安すぎる――。加谷氏はそもそも5kg2000円台の価格でも農家にとって「大赤字」だと指摘。1995年の「食管制度」廃止で自由市場となった以上、需給による価格変動はある意味当然で、今後の見通しとしては備蓄米を放出しても「厳しい状況は続く」と来年以降も米価の高止まりを予測する。

「とはいえ、2倍以上は上がりすぎでは......」こう問う本誌・長岡義博編集長に対し、日本人のコメ離れで市場が小さくなっているため、猛暑による不作やインバウンド需要増といったわずかな需給バランスの崩れで価格が高騰しやすくなっている「ボラティリティ」の高さが招いた事態だと加谷氏は解説する。

このほか「パンや小麦の値段が上がっているのに、コメだけ政治的に大騒ぎ」する「コメ本位制」的メンタリティの歴史的背景や、「食の安全保障」の観点から税金を投入すべきか、農地の集約化や輸出増で安定供給を実現できるかにも議論は及んだ(これは動画の抜粋記事です。詳しくは動画をご覧ください)。

対談
為末大×TAKUMI──2人のプロが語る「スポーツとお金」 セカンドキャリアの前に「考えるべき」こととは?
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

ヘッジファンド、銀行株売り 消費財に買い集まる=ゴ

ワールド

訂正-スペインで猛暑による死者1180人、昨年の1

ワールド

米金利1%以下に引き下げるべき、トランプ氏 ほぼ連

ワールド

トランプ氏、通商交渉に前向き姿勢 「 EU当局者が
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:AIの6原則
特集:AIの6原則
2025年7月22日号(7/15発売)

加速度的に普及する人工知能に見えた「限界」。仕事・学習で最適化する6つのルールとは?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「史上最も高価な昼寝」ウィンブルドン屈指の熱戦中にまさかの居眠り...その姿がばっちり撮られた大物セレブとは?
  • 2
    真っ赤に染まった夜空...ロシア軍の「ドローン700機」に襲撃されたキーウ、大爆発の瞬間を捉えた「衝撃映像」
  • 3
    どの学部の卒業生が「最も稼いでいる」のか? 学位別「年収ランキング」を発表
  • 4
    エリザベス女王が「うまくいっていない」と心配して…
  • 5
    「お腹が空いていたんだね...」 野良の子ネコの「首…
  • 6
    【クイズ】次のうち、生物学的に「本当に存在する」…
  • 7
    千葉県の元市長、「年収3倍」等に惹かれ、国政に打っ…
  • 8
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップ…
  • 9
    イギリスの鉄道、東京メトロが運営したらどうなる?
  • 10
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長…
  • 1
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップを極めれば、筋トレは「ほぼ完成」する
  • 2
    「弟ができた!」ゴールデンレトリバーの初対面に、ネットが感動の渦
  • 3
    「お腹が空いていたんだね...」 野良の子ネコの「首」に予想外のものが...救出劇が話題
  • 4
    日本企業の「夢の電池」技術を中国スパイが流出...AP…
  • 5
    千葉県の元市長、「年収3倍」等に惹かれ、国政に打っ…
  • 6
    どの学部の卒業生が「最も稼いでいる」のか? 学位別…
  • 7
    イギリスの鉄道、東京メトロが運営したらどうなる?
  • 8
    エリザベス女王が「うまくいっていない」と心配して…
  • 9
    完璧な「節約ディズニーランド」...3歳の娘の夢を「…
  • 10
    トランプ関税と財政の無茶ぶりに投資家もうんざり、…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 3
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事故...「緊迫の救護シーン」を警官が記録
  • 4
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 5
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 6
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 7
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 8
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 9
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 10
    「うちの赤ちゃんは一人じゃない」母親がカメラ越し…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中