GW明けに退職代行の利用が急増する!?ブラック企業だけではない、ホワイト企業でも続発する背景とは
利用者急増の背景に「3つのポイント」
退職代行サービスが注目を集めるのは、単に「簡単に退職できる」という利便性だけが理由ではない。近年の働き方や価値観の変化も多いに関係しているだろう。情報の拡散スピードが上がったことも無視できない。
こうした背景を理解するため、以下3つのポイントでまとめてみた。
(1)働き方や労働観の変化
(2)SNSやネットニュースによる情報拡散
(3)職場内コミュニケーションの不足
それでは、一つ一つ解説していこう。
(1)働き方や労働観の変化
終身雇用が崩れ、転職やキャリアチェンジが当たり前になりつつある現代。「合わない会社に長くとどまる必要はない」という考えが広がっている。タイパ(タイムパフォーマンス)を重視する若年層どころか、50~60代でも増えている。
自分の人生を再設計する動きが活発になったことが要因だろう。
(2)SNSやネットニュースによる情報拡散
退職代行は、2000年代後半から2010年代初頭にかけて日本で登場した。最近登場したサービスではない。
このサービスが昨今、とくに注目されるようになったのは、当然SNSやインターネットニュースの影響が大きい。SNSやネット記事で、具体的な体験談が瞬く間に共有されるようになった。利用の手順や料金も公開されており、「自分でも使えるかもしれない」という安心感が、退職代行への敷居を低くしていると言える。
(※ちなみに海外では、一般的ではない。多くの国では退職は個人の当然の権利とされているからだ。このようなサービスの必要性が低いと言える)
(3)職場内コミュニケーションの不足
ハラスメントの問題だけでなく、マジメすぎて退職を言い出せない人や、引き止められて精神的に疲弊した人が退職代行を選ぶケースも無視できない。
もし上司や人事との対話がこまめに行われていれば、ここまで追い詰められずに済んだ可能性もある(筆者の私見である)。実際は相談の場がなかったり、指導者が部下の本音を汲み取れていなかったりする状態が続き、結果として退職代行につながっているのではないか。