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バリー&アンドリア・コールマン(イギリス/医療)

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2009.10.13

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バリー&アンドリア・コールマン(イギリス/医療)

趣味のバイクで人命を救う

2009年10月13日(火)11時37分
ウィリアム・アンダーヒル

 ソマリアの貧しい村々を回る医療従事者。彼らの足であるオートバイや車が壊れたまま道路脇に放置されているのを見て、バイク好きのバリー・コールマン(60)は悲しんだ。原因は補修部品や工具、そして技術がないことだった。

 イギリスに帰国したコールマンは、妻のアンドリア(59)とともに非営利組織「ライダーズ・フォア・ヘルス」を設立。公衆衛生当局や国連機関などと協力し、医療従事者が奥地の村まで回れるよう、バイクや車の整備などをサポートする活動を始めた。

 今では400万ポンド(約9億8700万円)の事業規模を誇り、その支援により昨年は1000万人以上が医療サービスを受けられたという。途上国では十分な医療を受けられないために年間推定300万人が死亡するなか、これは大きな貢献だ。バイクにサイドカーをつけて、妊婦や病人を運べる簡易救急車「ウフル」も開発した。

 ホンダがバイクを無償提供するなど民間の寄付や政府の助成も受けているが、活動資金の約70%は自前で調達している。資金集めの手段は、オートバイレースの記念品のオークションや人気レーサーを招いたイベントなどだ。

 活動に追われて、「子供たちと顔を合わせるのも、彼らがイベントにボランティアで参加してくれたときくらいなもの」と、アンドリアは言う。それでも「自分の手でゼロからつくってきた」達成感は何ものにも代えがたい。

[2007年7月18日号掲載]

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