コラム

「出馬断念」に追い込まれた、在日中国人の悲しき原罪

2025年03月19日(水)11時33分
ラージャオ(中国人風刺漫画家)/トウガラシ(コラムニスト)

もしチベット民族出身だったら......

しかし、日本のような民族的アイデンティティーや文化的「日本人らしさ」の意識が強い国で、法的に日本人になっても、「元外国人」が社会的・感情的に受け入れられるのは容易ではない。特に中韓から帰化する場合、互いによく理解している知り合いでないと疑いや不信感が募りやすい。日本国籍を取得しても、あまり周囲の日本人に伝えない元中国人も多い。

石平氏の出身地・四川省にはチベット族地域もある。もしチベット民族出身だったら、すぐ受け入れられていただろう。


ポイント

石平
1962年四川省生まれ。文革で教師だった両親が下放。80年に北京大学哲学部に入学。88年の日本留学後、89年の天安門事件を見て共産党に絶望し、2002年から保守論壇にデビューした。

弦念丸呈
旧名はマルッティ・トゥルネン。1940年生まれ。68年にキリスト教宣教師として来日。79年帰化。92年に神奈川県湯河原町議に当選。2002年の参院選比例区で繰り上げ当選。13年政界引退。

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プロフィール

風刺画で読み解く中国の現実

<辣椒(ラージャオ、王立銘)>
風刺マンガ家。1973年、下放政策で上海から新疆ウイグル自治区に送られた両親の下に生まれた。文革終了後に上海に戻り、進学してデザインを学ぶ。09年からネットで辛辣な風刺マンガを発表して大人気に。14年8月、妻とともに商用で日本を訪れていたところ共産党機関紙系メディアの批判が始まり、身の危険を感じて帰国を断念。以後、日本で事実上の亡命生活を送った。17年5月にアメリカに移住。

<トウガラシ>
作家·翻訳者·コラムニスト。ホテル管理、国際貿易の仕事を経てフリーランスへ。コラムを書きながら翻訳と著書も執筆中。

<このコラムの過去の記事一覧はこちら>

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