JICA「ホームタウン」騒動で失われた日本の国益...中国もにらんだ国際援助・交流が必要だ

今回のAIイラスト:情けの戦略的バタフライ・エフェクトを考えよう AI GENERATED ART BY NEWSWEEK JAPAN VIA DALL-E3
<JICAは世論に向き合わなかった。だが開発協力や国際交流は中国に対抗する上でも戦略的にかなり重要だ>
先日、ドキュメンタリー映画『戦後80年 内田也哉子 ドキュメンタリーの旅「戦争と対話」』のトークショーに出席した。映画の企画・プロデュースは東海テレビで『さよならテレビ』など話題のドキュメンタリーを制作してきた阿武野勝彦さん。「戦争の対義語は平和ではなく『対話』ではないか?」と考えて一連のシリーズをつくったという。
印象深かったのは「最近やたら『国益』って言う人いますよね、SNSとかで」という阿武野さんの言葉。この作品が大きな主語で語る戦争でなく、個人の生き方を追うものだから余計に気になるのだろう。
そもそも「国益」って何だろう? そう考えてしまうニュースを最近よく見る。例えばホームタウン騒動だ。事の発端は第9回アフリカ開発会議(TICAD)で、日本の国際協力機構(JICA)がアフリカ各国と交流の深い国内4市を各国の「ホームタウン」に認定したことにある。
「発表直後から、SNSなどでは『移民が押し寄せてきたら誰が責任をとるのか』といった投稿が急速に拡散し、4市には抗議の電話やメールが殺到。『JICA解体』デモまで起きる騒動へと発展した」(朝日新聞9月14日)
ナイジェリア大統領府が「日本政府が特別査証(ビザ)の枠組みをつくる」と誤った声明を出したことなども混乱に拍車をかけた。誤情報がさらに誤情報を生む問題もあった。
今回の騒動について日経新聞は「開発協力の王道伝えきれず」(9月11日)と報じた。ネットで「JICAは年間2兆3100億円を無駄遣いしている」などの声が飛び交ったことについて同紙は、この金は支出やバラまきではなく「インフラ整備などのために日本が途上国に貸し付ける金額だ」として「援助形態の違いをわきまえないと誤解に陥りやすい」と指摘する。なので「経済外交の柱である開発協力を担う組織として、JICAは世論にしっかりと向き合い、開発協力の重要性を説明しなければならない」と結ぶ。
視点を広げてみよう。同時期の次の記事にも注目せざるを得なかったからだ。「中国、アフリカ投資6兆円」(日経新聞9月13日)である。
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