米銀行株が急落、自動車関連2社の経営破綻で不安高まる

米銀行のザイオンズ・バンコープ、ジェフリーズ、ウエスタン・アライアンス・バンコープなどの株価が10月16日、急落した。3月11日、ニューヨークで撮影(2025年 ロイター/Shannon Stapleton)
Manya Saini Arasu Kannagi Basil Ateev Bhandari
[16日 ロイター] - 米銀行のザイオンズ・バンコープ、ジェフリーズ、ウエスタン・アライアンス・バンコープなどの株価が16日、急落した。米修理・交換用自動車部品メーカーのファースト・ブランズと、米サブプライム自動車ローン会社のトライカラー・ホールディングスの自動車関連2社が9月に相次いで経営破綻したことを巡り、両社へのエクスポージャーのリスクに投資家らの不安が高まったことが背景にある。
ザイオンズは米西部カリフォルニア州の商業・産業向け融資2件で2025年第3・四半期に5000万ドルの損失を計上すると発表したのを受け、株価は前日より12%下落した。ウエスタン・アライアンスは11%弱下落し、詐欺行為を働いたカンター・グループを相手取って提訴する発表したことが響いた。
16日に投資家向け説明会を開催したジェフリーズの株価も9%下げた。同社はファースト・ブランズ向けの債権を抱えていることを公表しており、ファースト・ブランズが連邦破産法第11条(チャプター11)の適用申請を公表後に株価は2割超も下落している。
アーガス・リサーチの銀行アナリスト、スティーブン・ビガー氏は「信用の質を当然視できないことを示しており、銀行1行の信用リスク悪化が業界全体を急速に押し下げる可能性がある」と指摘する。
報道陣を締め出したジェフリーズの投資家向け説明会に関し、モルガン・スタンレーのアナリスト、ライアン・ケニー氏は顧客向けのノートで中核事業に関して前向きな内容が示されたと説明。一方で「ファースト・ブランズで具体的に何が問題だったのかや、ジェフリーズが事前にリスクを軽減できたかどうかについては、いくつかの疑問が残されたままだ」と問題視した。
モーニングスター・リサーチの銀行アナリスト、ショーン・ダンロップ氏は調査ノートで「投資家らはジェフリーズについてはまず売却を選択し、後で質問する姿勢を示しているようだ。この売り圧力は間もなく行き過ぎたものになる可能性がある」との見方を示した。
ジェフリーズ、ザイオンズはともにロイターのコメント要請に応じなかった。