日本株上昇~バブル後最高値更新の意味~
日本経済の正常化が、株式市場で適切に反映
2023年の日本株の上昇は、名目GDPが従来レンジを上回って伸びたのとほぼ同じタイミングで起きたことになる。脱デフレ完遂が現実味を帯びて、名目GDPが増えない時代が終焉しつつあるとの認識が強まったことが、23年の日本の株高を牽引したと言える。
23年の日本株上昇は、脱デフレ完遂によって、日本経済が他の主要国と同様に正常化していることが、株式市場で適切に反映されていると位置付けられる。であれば、今年の株高は必ずしも行き過ぎた上昇とは言えないだろう。
日本では金融緩和が続き、副作用が大きいなどとメディアや論者が指摘してきた。ただ、黒田・植田態勢での日本銀行の金融政策が、円安を通じてインフレと名目GDPを押し上げる最後の一押しになった。この意味で、金融緩和が徹底されたプラスの側面は大きかったと言える。
2024年も日本株の上昇は続くだろうか
2024年も日本株の上昇は続くだろうか。2%インフレの安定化とともに、名目GDPが増え続けるかどうかが、引き続き重要だろう。2024年には日本銀行が、2年連続での春闘の賃上げ上昇を見定めた上で、マイナス金利政策を解除するなど、引締め政策に踏み出すと予想される。
2022年来の円安が続き、ドル円が歴史的な水準まで円安が進んだことが、2023年の名目GDPの大幅な増加を大きく後押しした。2024年は、円安の追い風がほぼなくなるとみられ、名目GDPは23年ほどの拡大は見込みづらい。この点は日本株高を抑制する要因になりそうである。
ただ、物価高が問題とされているが日本では、22、23年の米欧でみられた高インフレが起こる兆しはみられない。日本銀行が引締め政策を始めるとしても、性急な引締めを行う可能性は低いとみられる
1ドル150円前後はかなりの円安水準なので、2024年に1ドル130円台程度への円高進行であれば、24年も名目GDPは緩やかな伸びは確保できそうである。そうであれば、来年の日本株市場については、米国株などと同程度のリターンは期待できるのではないか。
(本稿で示された内容や意見は筆者個人によるもので、所属する機関の見解を示すものではありません)

アマゾンに飛びます
2025年9月9日号(9月2日発売)は「豪ワーホリ残酷物語」特集。円安の日本から「出稼ぎ」に行く時代――オーストラリアで搾取される若者のリアル
※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら
トランプ大統領のFRBへの政治圧力・利下げ要求は株式市場のリスクか? 2025.09.04
「必然だった」日経平均の最高値更新...なぜ出遅れたか、米国・日本の経済の今後は? 2025.08.14
続投宣言の石破首相は理解できない、有権者が「現金給付」に嫌悪感を抱く理由 2025.07.22
変調を迎えた日本経済...参院選に「減税政策への追い風」が及ぼす影響は 2025.07.08
都議選の敗因を「誤解」する自民党、国難に直面する「重税国家」日本にいま必要なもの 2025.06.25
強まる縁故資本主義...石破政権が「減税に一貫して否定的」な理由 2025.06.10
-
経験1年必須/ITコンサル/SE/Sierからコンサルタントへ/外資系プロジェクト有/残業少
株式会社ノースサンド
- 東京都
- 年収500万円~1,600万円
- 正社員
-
テレワークあり 外資系サーバー 構成見積支援業務 神保町駅
株式会社スタッフサービス ITソリューション
- 東京都
- 月給23万5,000円~
- 正社員
-
東京/外資系企業/受付・事務/未経験OK・英語活かせる・月26万~ 20代・30代活躍中/土日祝休み
グローブシップ・ソデクソ・コーポレートサービス株式会社
- 東京都
- 月給26万円~32万円
- 正社員
-
外資系企業のケータリングサービス 年休120日・土日祝休み・賞与あり/港区 20代・30代活躍中
グローブシップ・ソデクソ・コーポレートサービス株式会社
- 東京都
- 月給23万円~25万円
- 正社員