最新記事
株の基礎知識

日本株はどこまで上がる? カギを握るのは「欧米」ではなく「欧州」投資家。その思惑とは...

2023年6月29日(木)17時40分
山下耕太郎 ※かぶまどより転載
海外投資家

18percentgrey-iStock.

<今の日本の株高を主導しているのは「海外投資家」。海外投資家とはどんな人・機関なのか。今後はどうなる? 日本の個人投資家はどう対応すればいい?>

日経平均株価は3万円を超え、33年ぶりの高値を更新しました。この株高を主導してきたのは海外(外国人)投資家です。いま海外投資家が日本株を買っている背景と今後の動向を解説しながら、日本の個人投資家はどのように対応すればいいかを考えます。

海外(外国人)投資家とは

日本株を支える「海外(外国人)投資家」とは、外為法上の「非居住者」に該当する個人や企業です。

具体的には、海外に拠点を置く企業や海外に住む個人、日本の証券会社の海外支店や現地法人などが含まれます。外資系証券会社の日本支店や日本法人は「居住者」に該当するため、海外投資家とは見なされません。

海外投資家は、日本株の売買において大きな役割を果たしています。また、日本株の価格を安定させるのに役立っているだけでなく、日本企業に資金を供給することで企業の成長を促進してもいるのです。

海外投資家は日本経済にとって重要な存在であり、今後も、彼ら海外投資家による日本株の買い越しが続くことが期待されています。

海外投資家が日本株に与える影響

海外投資家は日本の株式市場に大きな影響を与えています。ただし、その中には、短期的にマーケットに影響を与える投資家と、長期的にマーケットに指示を与える投資家とがいます。

短期的に市場に影響を与える投資家とは、商品投資顧問(CTA)や超高速トレーダー(HFT)です。彼らはコンピューターを使って株価を分析し、短期売買で利益を得ようとします。そのため、彼らの資金流入によって株価が急騰したり急落したりします。

一方、長期的に市場を方向づけるのは、カントリー・アロケーション(国別配分)を採用する投資家たちです。彼らは世界中の資産や株式に分散投資することでリスクを抑えようとします。そのため、彼らの資金が流入することで、日本株の相場が安定する可能性があるのです。

■日本株売買で際立つ「欧州」の存在感

カントリー・アロケーションを採用している代表的な投資家は、ノルウェーや中東など各国政府系ファンドです。彼らは巨額の資金を運用しているため、日本株に大きな影響を与えます。

海外投資家といえば「北米」、特にアメリカを思い浮かべる人が多いと思いますが、実は、日本株の売買代金で見ると「欧州」は「北米」の10倍以上、売買シェアは77%と他地域を圧倒しています。

年次データで見ても、「欧州」の存在感は際立っています。「欧州」の売買シェアは、2022年までの10年間で59.4%から74.5%に増加しているのです。

(参考記事)アメリカ株は上がっている? ダウ平均株価を円建てにすると意外な事実が見えてきた


日本企業
変わる「JBIC」...2つの「欧州ファンド」で、日本のスタートアップ支援に乗り出した理由
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

AI懸念が米金融株にも波及、資産運用新興の新ツール

ビジネス

MSCI銘柄入れ替え、日本はイビデンなど2銘柄を新

ワールド

米財務省、ベネズエラ石油・ガス探査・生産へライセン

ビジネス

パラマウント、WBD買収条件引き上げ 違約金など負
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:習近平独裁の未来
特集:習近平独裁の未来
2026年2月17日号(2/10発売)

軍ナンバー2の粛清は強権体制の揺らぎか、「スマート独裁」の強化の始まりか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 2
    ビジネスクラスの乗客が「あり得ないマナー違反」...周囲を気にしない「迷惑行為」が撮影される
  • 3
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トランプには追い風
  • 4
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を…
  • 5
    崖が住居の目の前まで迫り、住宅が傾く...シチリア島…
  • 6
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 7
    変わる「JBIC」...2つの「欧州ファンド」で、日本の…
  • 8
    衆院選で吹き荒れた「サナエ旋風」を海外有識者たち…
  • 9
    【銘柄】「ソニーグループ」の株価が上がらない...業…
  • 10
    まさに「灯台下暗し」...九州大学の研究チームが「大…
  • 1
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた実験室」に...抗生物質の「不都合」な真実とは
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 4
    がんの約4割は、日々の取り組みで「予防可能」...予…
  • 5
    ビジネスクラスの乗客が「あり得ないマナー違反」...…
  • 6
    米戦闘機、空母エイブラハム・リンカーンに接近した…
  • 7
    致死率は最大75%のニパウイルスが、世界規模で感染…
  • 8
    グラフが示す「米国人のトランプ離れ」の実態...最新…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    台湾発言、総選挙...高市首相は「イキリ」の連続で日…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 4
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 5
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 6
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 7
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 8
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 9
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
  • 10
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中