史上最大の「株価急落」を、日銀はなぜ許した? 「根本的な原因」を読み解く
日銀はなぜ追加利上げを前倒ししたのか?
ところが、日銀は自ら提示したシナリオを変更し、追加利上げに踏み切ったことから市場は大混乱となった。為替市場では急激に円高が進み、前代未聞の株価下落を招いてしまった。
ではなぜ日銀は正常化を前倒しする決断を下したのだろうか。植田和男総裁はマクロ的環境が整ったと説明しているが、その説明をそのまま受け取る人は少数派だろう。
9月の自民党総裁選を控え、岸田政権は円安とそれに伴う物価高に神経質になっていた。政権幹部からは日銀に強く利上げを求める発言が相次ぎ、日銀はこうした政府の要請を考慮した可能性が高い。
政府からの要請を受け入れた結果、株価が下落したのであれば、今回の下落は回避できたものだったと言えるかもしれない。
2024年12月10日号(12月3日発売)は「サステナブルな未来へ 11の地域の挑戦」特集。地域から地球を救う11のチャレンジとJO1のメンバーが語る「環境のためにできること」
※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら
日本で「粉飾倒産」する企業が増えている理由...今後はさらなる「倒産増加」が予想される 2024.10.30
【総選挙】自民党と立憲民主党の「経済/外交/政治改革」の政策比較で分かった「異例」の現象 2024.10.18