コラム

光熱費、電車賃、預金......ぼったくりイギリスの実態

2016年12月08日(木)16時30分

 さて、最後の1つだ(本当にこれで最後)。イギリスでインターネットサービスのプロバイダーと契約するとき、通常はインターネット料金は1カ月数ポンドだと宣伝されている(僕の場合は1カ月1ポンドだった)。この金額には、必要不可欠な「回線レンタル代」が含まれていない。それを入れれば大抵1カ月に20ポンド近くなる。

 僕が2012年に初めてイギリスでインターネットを契約したときは、これは1カ月10ポンドだった。その後は年々8~20%の値上げが続いた。

 なんともおかしなシステムだ。プロバイダーは、かつての国営企業の生き残りみたいな電話会社から卸売価格で回線使用料を「買って」いるのだから。大手プロバイダー数社が年間60ポンドもの値上げに踏み切ったのとまさに同じ時期に、実はこの卸売価格は下がり続けていたというニュースを、ちょうど最近、僕は耳にした。

 こんなことをしつこく並べ立てて申しわけない。でも、僕やほかのイギリス人がどうしていつも怒っているのか、ザッと知ってもらいたかったのだ。くたばれ、ぼったくり!

プロフィール

コリン・ジョイス

フリージャーナリスト。1970年、イギリス生まれ。92年に来日し、神戸と東京で暮らす。ニューズウィーク日本版記者、英デイリー・テレグラフ紙東京支局長を経て、フリーに。日本、ニューヨークでの滞在を経て2010年、16年ぶりに故郷イングランドに帰国。フリーランスのジャーナリストとしてイングランドのエセックスを拠点に活動する。ビールとサッカーをこよなく愛す。著書に『「ニッポン社会」入門――英国人記者の抱腹レポート』(NHK生活人新書)、『新「ニッポン社会」入門--英国人、日本で再び発見する』(三賢社)、『マインド・ザ・ギャップ! 日本とイギリスの〈すきま〉』(NHK出版新書)、『なぜオックスフォードが世界一の大学なのか』(三賢社)など。

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