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米、中国・香港からの小口輸入品免税撤廃 混乱懸念も

2025年05月02日(金)14時41分

 5月2日、トランプ米政権は、中国と香港からの小口輸入品に対する関税免除措置(デミニミス・ルール)を廃止した。昨年8月撮影(2025年 ロイター/Dado Ruvic)

David Lawder Lisa Baertlein

[ワシントン/ロサンゼルス 2日 ロイター] - トランプ米政権は2日、中国と香港からの小口輸入品に対する関税免除措置(デミニミス・ルール)を廃止した。

免除措置を利用していた中国系ネット通販大手「SHEIN(シーイン)」「Temu(テム)」には打撃となる。合成麻薬「フェンタニル」などの密輸阻止も目指す。

米税関・国境警備局(CBP)は「膨大な作業」が待ち構えているが、関税の徴収を進める準備が整っていると表明。空港や入国港での乗客の待ち時間に影響はないとの見通しを示した。

CBPによると、中国・香港からの全ての荷物に145%の追加関税が課される。スマートフォンなど一部製品は対象外。主にフェデックス、ユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)、DHLなどの運送会社が関税を徴収する。

また、中国から郵便で送られる800ドル以下の荷物については、荷物の価値の120%、もしくは1個当たり100ドル(6月以降は200ドル)が課税される。

米郵便公社(USPS)は関税徴収には関与せず、航空会社や船舶運航会社が中国側の配送業者や郵便当局と連携して関税を支払い、商品が中国・香港から発送される前に証明書を提示する必要がある。

輸送業界の関係者は、現場で混乱が起きるリスクを懸念。アマゾンやイーベイなどが加盟する国際郵便業者諮問グループ(IMAG)の幹部は「物流の混乱を懸念している。まだルールの詳細が明確でない」とし、中国以外の国から出荷される商品について、原産地を中国とする際の定義が明らかでないと述べた。

ロイター
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