最恵国待遇の世界貿易、関税で72％に減少の公算＝ＷＴＯ事務局長

世界貿易機関（ＷＴＯ）のオコンジョ・イウェアラ事務局長は２日、ＷＴＯの最恵国待遇（ＭＦＮ）の条件で実施される世界貿易の割合が７２％に減少していると述べた。スイス・ジュネーブで同日撮影（２０２５年　ロイター/Cecile Mantovani）

Emma Farge　Olivia Le Poidevin

［ジュネーブ　２日　ロイター］ - 世界貿易機関（ＷＴＯ）のオコンジョ・イウェアラ事務局長は２日、ＷＴＯの最恵国待遇（ＭＦＮ）の条件で実施される世界貿易の割合が７２％に減少していると述べた。

この割合は、トランプ米大統領が今年、大半の貿易相手国への関税措置を導入する以前は約８０％だった。国際貿易システムが過去８０年間で最大の混乱に直面する中、さらに減少する公算が大きいとの見方を示した。

オコンジョ・イウェアラ氏はロイターとのインタビューで「世界貿易ルールは過去８０年間で前例のない最大の混乱を経験している。そのため、世界貿易システムや予測可能性に疑問を抱く人がいるのは驚くべきことではない」と述べた。

また、今年前半に進んだ財（モノ）の在庫積み増しの前倒しによる世界貿易の急増が落ち着き始めるにつれ、世界貿易は２０２６年にかけて「後々」関税の影響を受ける可能性があると警告。

「今後、在庫が枯渇するにつれ、他の影響も見え始める可能性があるが、それは来年明らかになる」と指摘。同時に、それでもある程度の成長は見込んでいるとの考えも示した。