米上院、トランプ氏の90億ドル歳出撤回法案を可決

米上院は7月17日、トランプ大統領が提唱する90億ドルの歳出を撤回する法案を可決した。写真は議場に向かう共和党のスーン院内総務。1日、ワシントンで撮影(2025年 ロイター/Nathan Howard)
Patricia Zengerle
[ワシントン 17日 ロイター] - 米上院は17日、トランプ大統領が提唱する90億ドルの歳出を撤回する法案を可決した。削減は病気や戦争、自然災害などに関する対外援助プログラムが中心だが、公共放送機構(CPB)への向こう2年間で11億ドルの支出も取り消す。
今回の歳出撤回は3月に超党派の合意で成立した通年の暫定予算を修正するもので、単独の歳出撤回法案が可決されるのは数十年ぶり。
法案はすでに下院を通過しているが、削減規模が上院で94億ドルから90億ドルに縮小されたことから、下院で再び承認される必要がある。歳出撤回法案は18日までに成立しなければ無効となり、当初の予算が執行されることになる。
上院での採決は51対48で、共和党の53人の議員のうち、リサ・マカウスキ、スーザン・コリンズ両議員が民主党議員と共に反対票を投じた。
マカウスキ氏は上院での演説で、「CPB全体を骨抜きにする必要はない」と訴えた。また、トランプ政権はマラリアやポリオといった世界的な疾病との闘いが継続されるという保証も与えていないと批判した。
一方、共和党上院トップのスーン院内総務はトランプ大統領の歳出撤回要請について、「財政健全化に向けた小さいながらも重要な一歩だ」と述べた。