アングル:トランプ支持者は政策をどう評価しているか、20人を追跡取材

米南部テキサス州ヒューストン近郊に暮らす専業主婦のロレッタ・トーレスさん(38)は、トランプ大統領の自信と交渉術を高く評価している。政権にも不満はない。5月16日、同州ベイタウンの自宅で撮影(2025年 ロイター/Callaghan O'Hare)
Julia Harte
[25日 ロイター] - 米南部テキサス州ヒューストン近郊に暮らす専業主婦のロレッタ・トーレスさん(38)は、トランプ大統領の自信と交渉術を高く評価している。政権にも不満はない。
一方、アイオワ州デモインに住む陸軍退役軍人のルー・ヌネズさん(83)は連邦機関の予算削減や唐突な関税発表、抗議活動参加者への取り締まりに衝撃を受けている。
ミシガン州南西部のパイロット、テリー・アルバータさん(64)はトランプ政策の多くを支持するが、削減された連邦支出の一部は復活させる必要があると考えているほか、大統領の言動には好感を持っていない。「人の悪口を口にしたり、意味不明なことを言い始めると本当に腹が立つ」という。
3人とも昨年11月の大統領選でトランプ氏に投票したが、同氏の政権運営に対する考え方は大きく異なる。ロイターは今年2月以降、この3人を含むトランプ支持者20人への取材を続けており、政府機関の大幅な変化、貿易政策、移民政策の執行など、トランプ氏の施策に対する率直な意見を毎月聞いている。
ヌネズさんら2人がトランプ氏への投票を後悔する一方、トーレスさんら5人は政権を全面的に支持している。とはいえ大半はアルバータさんのように、支持と不満の間で揺れている。
この20人は2月の調査で、昨年の大統領選でトランプ氏に投票したと答え、取材に応じた429人の中から選ばれた。統計的にはトランプ支持者全体の代表ではないが、年齢、学歴、人種・民族、居住地、投票歴は大まかにトランプ支持層の特徴を反映している。
トランプ政権下では日々、事態が目まぐるしく展開し、毎月取材していても常に追いつけるわけではない。ロイターが取材対象者に直近でインタビューしたのは5月のことで、トランプ氏がロサンゼルスなど主要都市に米軍を派遣し、移民政策の強化に抗議する大規模なデモを抑え込み、イランとの緊張が高まる前だった。
20人からの支持が最も高いのは、トランプ氏の国境警備強化策だ。半面で政権に対する懸念としては、連邦政府の予算削減や関税が引き起こした経済の不透明感が最も多く挙げられた。これはロイター/イプソスの最新の世論調査(調査期間は6月16日までの6日間)とも一致し、トランプ氏は経済政策では支持率が全体平均を下回る一方、移民政策では上回っている。
この世論調査ではトランプ氏を再選させた有権者の多くが、現時点での政権の取り組みを高く評価。そうした回答者の9割が現政権の仕事を支持していると答えた。
トーレスさんは「彼の強いリーダー像は好きだ。他国に対して米国をより強く見せてくれる」と述べた。
ホワイトハウスのデサイ報道官は声明で、トランプ氏が選挙公約を実現し、米国への移民流入を歴史的な低水準に抑え、インフレを予想より低く抑制したと説明した。さらに「政権は、政府にまん延する無駄や不正、乱用を徹底的に排除し、米国の産業と労働者にとってより公平な競争環境を実現するため、オーダーメイドの貿易協定をさらに推進していく」と述べた。
<キーワードは「不安」>
20人の支持者の大半が、トランプ氏の極端な施策に懸念を示した。
ペンシルベニア州の刑務所職員で元州兵のブランドン・ノイマイスターさん(36)は、国土安全保障省が不法移民拘束のために2万人の州兵派遣を要請した5月の決定に反対だ。「米国の都市に米軍を展開するというのは、極めて重大なメッセージを発する行為だと思う」と彼は述べた。
ノイマイスターさんは物価とインフレの低下を期待してトランプ氏に投票したが、経済政策の効果が出るには時間がかかると理解している。ただ友人の中には、連邦政府の縮小に伴って失業したり、退役軍人省の予算削減により年金や医療補助が減るかもしれないと不安を抱く人もいるという。
「今は何でも、『不安』がキーワードだ」とノイマイスターさんは話す。トランプ氏が大統領でよかったかどうかについては「はっきり言えない」という。
連邦職員の削減は、ワシントン州の会計士ロバート・ビラプスさん(34)にとっても悩みの種だ。彼は求職活動中に、連邦政府機関の求人情報が消えていくのを見てきた。母親は国税庁の契約職員で、彼を気遣ってたびたび連絡を寄越す。
「こんなに頻繁に電話してくるのは初めてだ。母がどんなに不安がっているのが伝わってくる」とビラプスさんは語った。
<倫理的懸念>
大統領権限を逸脱したと批判されるトランプ氏の行動に不安を抱いている人もいる。
退職後にバージニアビーチで生活を送っているドン・ジャーニガンさん(74)は、多くの政策の成果は評価するものの、トランプ氏が数多くの大統領令を出したり、本来は議会の権限である関税を発表するやり方は好きではないと述べた。
ジャーニガンさんはカタールを敵対国とみなしているが、その国から贈られたジェット機をトランプ氏が受け入れたことも問題視している。「思いつきで動いている。信念がない」というのが彼の見方だ。
だが全体としては、トランプ氏が他の候補者よりも国境警備を強化し、国家の脅威に対抗していると考えている。
カタール製ジェット機の受領は、ジョージア州サバンナ近郊の保険会社勤務アマンダ・テイラーさん(51)にも倫理的に問題があるように映った。「トランプ氏は何をしても責任を問われないと思っているようだ」という。
テイラーさんは2020年の大統領選ではバイデン氏に投票したが、トランプ氏がより良い指導者であるかどうかを判断するには時期尚早だという意見を述べた。現在は特に、金利を中心とした経済指標を注視している。今月、夫婦で新居を購入したばかりだからだ。
<支持者らが望む変化とは>
第2次トランプ政権に対して不満の少ない支持者の間でも、改善を望む点はある。
ジョージア州西部の機械技師で営業担当のデービッド・ファーガソンさん(53)は政権が米国の製造業を再び活性化させることを期待し、現時点では「基盤作りに満足」「少なくとも政権が示す方向性には納得している」と評価する。
トランプ関税の影響により、彼の勤務する工業資材会社ではローラーベアリングから食品加工機械まで、幅広い製品の価格が急騰した。ファーガソンさんは、上昇と同じくらい急激に元に戻るとは見込んでいない。
製造拠点の国内回帰を進める米企業に対しては、税制上の優遇措置を提供して欲しいと望んでいる。「国内での製造を進める企業を支援し、関税の負担軽減を与えてその行動を評価するのに役立つ」と考えるからだ。
ほかにも複数のトランプ支持者が、リベラル派の有権者にとっては意外とも思える政策への支持を表明した。米国経済への貢献を望み、法を順守する意志のある移民に対して、より明確な合法的移民の道を提供するというものだ。
ニューヨーク州ハドソンバレーの武道インストラクターで中道派のジェラルド・ダンさん(66)は、共和・民主両党の過激路線に失望している。合法的に米国に入国しようとした人々が、「非常に煩わしい」書類手続きにより阻まれた例を知っているという。
ダンさんは、技能を有し安定した雇用の機会を得ている移民がもっと容易に入国できる環境が整えば、米国にとっては負担ではなくむしろ資産になり得ると述べた。
ノースカロライナ州シャーロットの技術者、リッチ・ソモラさん(61)は犯罪歴のある移民の強制送還を支持するが、一方で移民が建設現場など米国人が敬遠する重要な仕事を担っている実情も認識している。
「社会に貢献している移民には、道を開くべきだ。何の問題もない」とソモラさんは述べた。
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