COP28大詰め、化石燃料問題でなお意見隔たり大きく合意難航

12月10日、アラブ首長国連邦(UAE)で開催中の国連気候変動枠組み条約第28回締約国会議(COP28)は12日の閉幕に向けて大詰めを迎えつつあるが、気候変動対策で最重要視されている化石燃料の廃止を巡る合意が依然として難航している。写真は会場の共有スペースを使用する出席者ら(2023年 ロイター/Amr Alfiky)
David Stanway Gloria Dickie Kate Abnett
[ドバイ 10日 ロイター] - アラブ首長国連邦(UAE)で開催中の国連気候変動枠組み条約第28回締約国会議(COP28)は12日の閉幕に向けて大詰めを迎えつつあるが、気候変動対策で最重要視されている化石燃料の廃止を巡る合意が依然として難航している。こうした中で議長国のUAEは10日、参加国に対してより積極的な取り組みを呼びかけた
石油や天然ガス、石炭の利用を将来どうするのかについて、参加国の間では意見の隔たりが解消されていない。
米国や欧州連合(EU)、島しょ国など80を超える国・地域は、COP28の合意文書に化石燃料の「段階的廃止」を盛り込むことを提唱。これに対して石油輸出国機構(OPEC)と非加盟産油国が強く反対する構図になっている。
このためUAEのジャベル産業・先端技術相は、各国がより率直な考えを披露できるような非公式の協議を設定し、「われわれは(COP28の)終盤に入っている。各国が私を落胆させないことを期待している」と歩み寄りを促した。
ただそうした非公式協議でも今のところはっきりした成果は見えていない。
OPECの事実上のリーダーであるサウジアラビアは、ロシアや他の産油国とともに、COP28は温室効果ガス排出量の削減に焦点を当てるはずで、化石燃料を直接的な標的にするべきでないとの主張を続けている。
中国代表は9日、COP28は化石燃料問題を合意事項に加えなければ成功とはみなせないと語り、中国としても全ての関係者が受け入れ可能で、事態を解決できる道を見つける努力をすると表明したが、同国自身が化石燃料の「段階的廃止」を支持するかどうかは明言しなかった。