再送中国SMIC、第1四半期は利益2.6倍 関税影響で見通し不透明

5月9日、中国の半導体受託製造(ファウンドリー)最大手、中芯国際集成電路製造(SMIC)の趙海軍・共同最高経営責任者(CEO)は、関税が需要に与える影響を注意深く監視していくとし、第2・四半期の業績見通しについて、現時点では明確ではないと指摘した。写真はSMICのロゴ。北京で2020年10月撮影(2025年 ロイター/Aly Song)
(見出しを修正しました)
Che Pan Brenda Goh
[北京 9日 ロイター] - 中国の半導体受託製造(ファウンドリー)最大手、中芯国際集成電路製造(SMIC)が9日発表した第1・四半期決算は、関税引き上げを控えた米顧客からの駆け込み需要などで利益が2倍以上に拡大した。
ただ、アナリスト予想に届かなかったほか、新たに導入した設備テストで生産歩留まりが低下する可能性があるとし、第2・四半期の減収を予想。香港上場株は一時6.8%急落した。
趙海軍・共同最高経営責任者(CEO)は決算説明会で、激化する貿易摩擦の影響を緩和するため、中国当局がチップメーカーと緊密に連絡を取り合っており、関税免除も認められていると説明。現時点で中国ファウンドリー部門への直接的影響は軽微だとの見方を示した。
ただ、関税が需要に与える影響を注意深く監視していくとし、下半期の見通しについて現時点では明確ではないと指摘。結果的に、業界にとって「ハードランディング」になる恐れもあると懸念した。
第1・四半期の株主帰属利益は前年比162%増の1億8800万ドルに急増したが、LSEGがまとめた予想コンセンサスの2億2240万ドルに届かなかった。
売上高は28%増。売上全体に占める米顧客の割合は12.6%で、昨年第4・四半期の8.9%から増加した。前年同期は14.9%だった。
第2・四半期の売上高については最大6%減少するとの見通しを示した。
同社は家庭用電化製品向けチップなどを中心に手がけており、スマートフォン向けの高性能チップの割合は少ない。