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クリントン氏が米大統領選出馬を表明、「普通の人の擁護者に」
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4月12日、米民主党のヒラリー・クリントン前国務長官は、インターネットで発表したビデオ声明で2016年大統領選への出馬を正式表明した。ワシントンで3月撮影(2015年 ロイター/Joshua Roberts)
[ニューヨーク/ワシントン 12日 ロイター] - 米民主党のヒラリー・クリントン前国務長官は12日、インターネットで発表したビデオ声明で2016年大統領選への出馬を正式表明した。
クリントン氏は、08年の大統領選では、オバマ現大統領に指名争いで敗れている。今回2度目の挑戦で、米国初の女性大統領を目指す。
クリントン氏は、新たに立ち上げたウェブサイトに掲載したビデオのなかで、経済はなお富裕層に有利な構造になっていると強調。「普通の米国人には擁護者が必要。私はその擁護者になりたい」と語った。
側近らによると、クリントン氏は選挙戦で、経済的不平等の問題への取り組みを全面に押し出す。一方、米国で最も有名な女性の1人ということもあり、一般有権者の共感をいかに得るかが課題になりそうだ。
<親しみやすさ強調>
クリントン氏は2008年当時の大統領選キャンペーンでは、尊大なイメージやエリート意識が敗北の一因となったとみられている。今回はその反省から、親しみやすさを強調する戦略に転換したもようだ。
それを印象付けるのは「普通の米国人の擁護者」との言葉。前回の出馬表明時の「私は勝つためにここにいる」との宣言とは様変わりだ。
また前回の出馬表明では、クリントン氏は1人でソファーに座り、カメラに向って出馬の意思を表明。その後、有権者との対話に移った。
今回の出馬表明ビデオには、将来や経済問題について語る複数の市民が登場。クリントン氏は話を聞く姿勢に徹し、自身が話す場面は少ない。同氏のサイトの目立つ部分には、高齢者の写真が掲載されている。
クリントン氏は「米国民は、経済が厳しい時代を苦労して切り抜けてきた。しかし経済はなお、最上部の人々に有利な構造だ」と訴えた。
クリントン氏は、勝敗を左右する激戦州とされる中西部アイオワ州を14─15日に訪問する。大統領選に向けた選挙活動で最初の訪問地となる。
14日に同州モンティセロのコミュニティーカレッジで学生や教育関係者らと討論会を行い、15日に同州ノーウォークで中小企業経営者らと面会する予定。
アイオワ州では各党の大統領候補の指名手続きが最初に行われる。
<有力な対抗馬見当たらず>
各種世論調査では、クリントン氏への支持率は民主党の他候補を引き離しており、有力な対抗馬は見当たらない。ロイター/イプソス調査によると、民主党支持者の60%以上がクリントン氏を支持している。
リベラル派に人気の高いエリザベス・ウォーレン上院議員(マサチューセッツ州)が18%で2位だが、同議員は出馬するつもりはないと表明している。現在、ほかに出馬に意欲を示しているとされるのは、ジム・ウェッブ前上院議員(バージニア州)とマーティン・オマリー前メリーランド州知事だが、ともに支持率は1ケタ台にとどまっている。
*内容を追加して再送しました。