ニュース速報
ビジネス

米ケーブルTVチャーター、同業コックスを219億ドルで買収合意

2025年05月19日(月)12時17分

 5月16日、米ケーブルテレビ大手チャーター・コミュニケーションズは非上場の競合大手コックス・コミュニケーションズを219億ドルで買収することで合意した。写真はコックスのロゴとイメージ。2021年12月撮影(2025年 ロイター/Dado Ruvic)

[16日 ロイター] - 米ケーブルテレビ大手チャーター・コミュニケーションズは16日、非上場の競合大手コックス・コミュニケーションズを219億ドルで買収することで合意した。合併により、ストリーミング大手や携帯電話会社との競争で勝ち残るのが狙いだ。

2社はケーブルテレビと高速インターネット回線の事業で米トップクラス。合併が当局に承認されれば、ケーブルテレビと高速回線企業で首位のコムキャストを超え、約3800万人の加入者を抱える巨大企業が誕生することになる。

今回発表の経営統合の規模は今年世界最大クラス。企業の合併・買収(M&A)としては、第2次トランプ政権下で初めて審査を受ける大型案件の試金石の一つとなる。

合併審査は司法省の反トラスト部門が担当する見通し。所管するゲイル・スレーター司法次官補は、競争減少によって消費者や労働者に害が及ぶ合併かどうかに審査の焦点を当てる考えを表明している。

チャーターは高速ネット回線と携帯電話回線事業の一体化戦略を描く。米国では、携帯電話業者が積極的な格安プランでネット顧客を引き寄せ、数百万人が従来のケーブルテレビ契約からストリーミング契約に移行している。

チャーターのクリス・ウィンフリー最高経営責任者(CEO)は「技術革新に加え、高品質で競争力のある価格で商品提供する能力を強化する方針だ」と合併の狙いを述べた。

計画では2026年半ばに買収手続きを完了し、その後3年以内に5億ドルのコストを削減することを念頭に置いている。

現金と株式を組み合わせた取引により、チャーターはコックスの約126億ドルの純有利子負債(ネット・デット)とその他負債を引き継ぐ。コックスの企業価値は345億ドルと評価された。

コックス親会社で家族経営のコックス・エンタープライゼズは合併後の新会社株式の約23%を保有する。

合併手続きの完了後1年以内に新会社名は「コックス・コミュニケーションズ」に変更し、チャーターが現在手がけている消費者向けブランドは「スペクトラム」として残す。

複数の報道によれば、チャーターとコックスは2013年に合併を検討後、この話はいったん棚上げされた。ただ、その後も断続的に交渉が繰り返されてきた。情報筋によると今年1月に交渉が改めて始まり、その後1カ月以内にチャーターがコックスに正式な買収提案を行ったという。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

EU・英、防衛や安全保障で暫定合意 首脳会議に先立

ワールド

アングル:トランプ氏、中東歴訪でイスラエル疎外 ネ

ビジネス

日経平均は4日続落、一時300円安 米格下げ影響を

ビジネス

中国4月鉱工業生産、予想上回る 米関税の影響限定的
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:2029年 火星の旅
特集:2029年 火星の旅
2025年5月20日号(5/13発売)

トランプが「2029年の火星に到着」を宣言。アメリカが「赤い惑星」に自給自足型の都市を築く日

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 3
    「運動音痴の夫」を笑う面白動画のはずが...映像内にはっきり表れていた「重篤な病気の初期症状」
  • 4
    足の爪に発見した「異変」、実は「癌」だった...怪我…
  • 5
    ワニの囲いに侵入した男性...「猛攻」を受け「絶叫」…
  • 6
    刺さった「トゲ」は放置しないで...2年後、女性の足…
  • 7
    中ロが触手を伸ばす米領アリューシャン列島で「次の…
  • 8
    飛行機内の客に「マナーを守れ!」と動画まで撮影し…
  • 9
    サメによる「攻撃」増加の原因は「インフルエンサー…
  • 10
    MEGUMIが私財を投じて国際イベントを主催した訳...「…
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 3
    ワニの囲いに侵入した男性...「猛攻」を受け「絶叫」する映像が拡散
  • 4
    カヤック中の女性がワニに襲われ死亡...現場動画に映…
  • 5
    母「iPhone買ったの!」→娘が見た「違和感の正体」に…
  • 6
    あなたの下駄箱にも? 「高額転売」されている「一見…
  • 7
    トランプ「薬価引き下げ」大統領令でも、なぜか製薬…
  • 8
    「運動音痴の夫」を笑う面白動画のはずが...映像内に…
  • 9
    ヤクザ専門ライターが50代でピアノを始めた結果...習…
  • 10
    中ロが触手を伸ばす米領アリューシャン列島で「次の…
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山…
  • 5
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの…
  • 6
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 7
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 8
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗…
  • 9
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?.…
  • 10
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中