今年の高級品の世界売上高、2―5%減に=ベイン予測

5月14日、コンサルタント会社ベイン・アンド・カンパニーは、2025年の世界の高級品売上高が前年より2─5%減るとの見通しを示した。写真はパリのグッチ店舗前で4月撮影(2025年 ロイター/Abdul Saboor)
[ミラノ/パリ 14日 ロイター] - コンサルタント会社ベイン・アンド・カンパニーは14日、2025年の世界の高級品売上高が前年より2─5%減るとの見通しを示した。昨年11月に発表した前回予測は、横ばいから4%増になるとしていた。
ベインは高級品市場が「複数の軸にまたがる、より複雑な乱気流」に見舞われていると指摘。今年に入ってから3カ月間の経済的圧力と価格面での疲弊が見られたとし、消費者はブランドがより創造的な新製品を投入することを待っていると言及した。
中国市場で不動産危機が重くのしかかり、米国では経済の先行きが不確実で消費者の買い控えが起きている中で、高級品業界の売り上げは数年ぶりの落ち込みとなっている。そんな中でグッチやシャネル、ディオールなどの最高級ブランドは、新しいデザイナーを起用した。
ベインが高級品購入者に実施した調査によると、回答者の75%はトランプ米大統領による輸入品への関税引き上げで将来の高級品の購入頻度が減ることはないだろうと回答した。一方、過去1年間に既に購入を控えた人たちの約半分は、値上げが原因だったと答えた。
アナリストらによると、多くの高級ブランドは新型コロナウイルス禍後に売上高が急増したのに乗じ、ここ数年間で最大の値上げを実施した。
デザイナーズブランドの経営陣は昨年の年末商戦の売り上げが回復したのを受け、今年初めには米国主導で好転することを期待していた。しかし、2月中旬には米国で需要後退の兆しが出始めた。