NY外為市場=ドル上昇、米英貿易協定を好感

終盤のニューヨーク外為市場では、米ドルが安全資産とされる円とスイスフランに対して上昇した。(2025年 ロイター/Dado Ruvic)
[ニューヨーク 8日 ロイター] - 終盤のニューヨーク外為市場では、米ドルが安全資産とされる円とスイスフランに対して上昇した。米英間の二国間貿易協定合意により市場の緊張感が和らいだ。一方、英ポンドは、イングランド銀行(英中央銀行、BOE)の利下げを受けて上昇分を削った。
トランプ米大統領とスターマー英首相は8日、貿易に関する「画期的な合意」を発表。米国は英国からの輸入品に対する10%の基本税率を維持するが、英国は米製品に対する関税率を5.1%から1.8%に引き下げ、米製品の市場アクセスを拡大する。
メルク・ハード・カレンシー・ファンドの最高投資責任者、アクセル・メルク氏は、市場はこの貿易協定を前向きにとらえていると評価。これはトランプ大統領が友好国に対しては10%の基準を掲げ、それを超える分は交渉の対象としていることを意味すると指摘した。
貿易協定の発表を受け、ドル/円は4週間ぶりの高値となる146.175円まで上昇した。終盤では1.55%高の146円となった。
ドル/スイスフランは1.07%高の0.8323フランとなり、5月1日以来の高値に並んだ。
イングランド銀行は8日、政策金利を0.25%ポイント引き下げ4.25%とした。利下げは予想通りだったが、投票メンバーの間で予想外の意見の相違が生じた。
ポンド/ドルはそれまでの上昇分を失い、0.37%安の1.324ドルで推移した。
円やユーロなど複数の通貨に対するドル指数は0.41%高の100.31となり、4月10日以来の高値を付けた。
ユーロは0.71%下落し、1ユーロ=1.122175ドルだった。
暗号資産(仮想通貨)のビットコインは4.68%高の10万1293.99ドル。イーサリアムは16.29%高の2091.29ドル。
ドル/円 NY午後4時 145.91/145.93
始値 144.76
高値 146.17
安値 144.44
ユーロ/ドル NY午後4時 1.1226/1.1228
始値 1.1287
高値 1.1320
安値 1.1213