金ETF、4月の資金流入が3年ぶり高水準 中国主導=WGC

5月8日、産金業界団体ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)が公表した4月のデータによると、金現物を裏付けとする上場投資信託(ETF)への流入資金が約3年ぶりの高水準となった。写真は金地金や貨幣。みゅんへいで2019年8月撮影(2025年 ロイター/Michael Dalder)
[ロンドン 8日 ロイター] - 産金業界団体ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)が8日公表した4月のデータによると、金現物を裏付けとする上場投資信託(ETF)への流入資金が約3年ぶりの高水準となった。米中貿易戦争を背景に中国のETFが主導した。
投資家は政治・経済情勢を巡るリスク回避の動きから今年に入り金ETFに資金をシフトさせてきたが、米中が関税の応酬を繰り広げる中、4月に流入が加速した。
4月の流入額は112億ドル(115.3トン相当)で、ロシアによるウクライナ侵攻を受けて世界の市場が混乱していた2022年3月以来の高水準。
これにより金ETFの保有高は4月末時点で3.3%増の3560.8トンと、22年8月以来の高水準を記録した。過去最高は20年10月の3915トン。
中国上場ファンドが64.8トン相当で流入を主導。米国上場ファンドは42.4トン相当だった。
金ETFへの資金流入は貿易戦争や安全資産としての需要に加え、金価格の上昇も要因となった。金価格は年初来28%上昇しており、4月には1オンス=3500ドルの史上最高値を付けた。