- HOME
- コラム
- たかがジョーク されどジョーク
- 2022年の「おそロシア」
2022年の「おそロシア」

ILLUSTRATION BY AYAKO OCHI FOR NEWSWEEK JAPAN
<これはジョークなのか、現実なのか>
【ウサギの苦悩】
プーチン政権下のロシアから、1羽のウサギがカザフスタンまで逃げてきた。
カザフスタンのウサギが、その理由を聞いた。
ロシアのウサギが言った。
「とにかくひどい話で。最近、新しい法律ができたんです。それが『動物の脚は4本あれば十分。5本目からは切り落とす』というんですよ。脚が4本より多いのは贅沢だという話なんです」
それを聞いたカザフスタンのウサギが不思議に思って聞いた。
「しかし、君の脚は4本じゃないか。問題ないのでは?」
ロシアのウサギがため息をつきながら答えた。
「そうじゃないんですよ。なにせ、全ての脚を切ってから数えるんですから」
わが国には昔から「おそロシア」なる言葉遊びがあるが、かの国のデタラメな恐怖政治は、国際ジョーク界における人気カテゴリーの1つ。
ジョーク中のウサギが一種のメタファー(隠喩)として象徴的に用いられていることは言うまでもない。
プーチン政権下では政敵などの不審死がいくつも起きている。
ウラジーミル・プーチン大統領と対立していたロシアの元情報将校アレクサンドル・リトビネンコ氏は2006年、亡命先のイギリスにて突然の中毒死。遺体からは放射性物質ポロニウム210が検出された。
同じくイギリスに亡命していた元ロシア情報将校セルゲイ・スクリパリ氏とその娘は2018年、有毒神経剤ノビチョクを使った襲撃に見舞われた。親子は辛うじて助かったが、ノビチョクというのは冷戦期にソ連で開発された毒物である。
2020年8月、反プーチンを掲げる政治活動家のアレクセイ・ナワリヌイ氏は、モスクワに向かう旅客機に搭乗していた際、突如として意識不明の重体に。こちらもノビチョクを使用されたといわれている。
結局、ナワリヌイ氏は一命を取り留めたが、その後、ロシア当局に拘束された。2022年3月、詐欺罪などで有罪とされ、懲役9年の刑が言い渡された。
この筆者のコラム
増税・社会負担増の岸田首相は「2通の封書」を用意すべき時 2023.02.03
「僕、プーチンにクリスマスプレゼントを贈る」→父親は感心したが... 2022.12.23
税金を滞納すると、こんな良いこともある? 2022.12.03
逆走車のドライバーはこう思っている(ジョークであってほしい...) 2022.11.11
韓国人がなんでもかんでも日本のせいにする理由 2022.09.30
働き方改革クイズ「月末の金曜日は早めに仕事を終えて幸せに過ごす」キャンペーンの名前は? 2022.09.02
中国が日本制圧に要するミサイルは「647発」 2022.08.03