
首脳会談に先立ち、韓国人原爆犠牲者慰霊碑を訪れた韓国の尹錫悦大統領(左)と岸田文雄首相(5月21日、広島市) YUICHI YAMAZAKIーPOOLーREUTERS
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塩は体内に取り込まれるとナトリウムイオンと塩化物イオンになる(写真はイメージです) GCShutter-iStock
<塩が甘く感じられるのは、食塩に含まれる「塩化物イオン」が口内の甘味受容体に作用しているから。岡山大・山下敦子教授らの研究チームが発見>
塩(塩化ナトリウム)は、料理に味付けをしたり、塩漬けにして保存食を作ったりすることで、私たちの「食」に大きな役割を果たしています。
ヒトの味覚は、甘味、酸味、塩味、苦味、うま味の5種の基本味(五味)を感じ取ります。このうち塩味は、塩の構成成分のナトリウムイオンが口内の味細胞にある塩味の受容体に結合することで知覚されていることが、これまでの研究で解明されています。一方、塩のもう一つの構成成分である塩化物イオンがどのように味覚に関わっているのかは、よく分かっていませんでした。
また、塩の謎として、「極めて薄い塩水は甘みを感じさせる」ことが以前から知られています。塩味で心地よく感じる濃度は味噌汁と同じくらいの0.8~1%の濃度の塩水とされていますが、その10~20分の1ほどの濃度では、塩水なのに甘く感じるのです。この事実は約60年前から知られていましたが、理由は未解明でした。
今回、岡山大学学術研究院の山下敦子教授らの研究チームは、メダカやマウスを用いた実験で、塩の「塩化物イオン」が口内の甘味受容体に作用して「甘み」を感じさせていることを発見しました。研究成果は、「塩化物イオンの役割」と「塩味を甘く感じる謎」の2つの未解決問題に対して、一気に答えを与える快挙と言えます。詳細は、2月28日付の米生命科学誌『eLife』に掲載されました。
塩は、体内に取り込まれるとナトリウムイオンと塩化物イオンになって、前者は体内の水分調整、筋肉の収縮、神経の情報伝達、栄養素の吸収などを担い、後者は胃酸の元になって消化や殺菌などに役立つ、なくてはならない物質です。その「味」は、適度な濃度ではおいしいと感じて食欲を増進させたり、濃すぎると摂取したくなくなったりするなど、私たちの健康を維持する役目も持っています。塩の味に関する研究を概観してみましょう。
ヒトの口内には、5つの基本の味ごとに感知するセンサー(味覚受容体)があります。たとえば、甘味受容体は糖を、塩味受容体は食塩中のナトリウムイオンを感知して、それぞれ甘味または塩味の知覚を引き起こします。
この味覚感知のメカニズムは脊椎動物が共通に持つもので、味覚受容体が鍵穴、味を引き起こす味物質が鍵の関係になっています。鍵穴に合わない形の鍵が来てもはまりません。たとえば、砂糖(ショ糖)は塩味受容体に結合することができないため、塩辛く感じることはありません。
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