コラム

ウエアラブル新時代はビジュアルではなく音声ARから

2020年04月13日(月)20時00分

事実、Amazonは既に、動き出している。

Echo Loopというスマートリングを米国内限定で一部招待客相手に予約発売を開始した。

AIスピーカーAmazon Echoに搭載されているAIアシスタントのAlexaが搭載されている指輪なので、AIスピーカーにできることは、ほぼなんでもできるもよう。

指輪をタップするだけで、電話をかけることができる。スーパーで買い物中に、買い物リストに何が載っているのかをAlexaに質問できる。

Alexaなので、百科事典のように何でも知ってるし、質問に答えてくれる。自宅の家電機器をAlexaでコントロールできるように設定しているのであれば、帰宅途中に「リビングの電気をつけて」と指輪に向かって言えば、自宅に到着する前に照明をつけておくことが可能らしい。

Appleも負けてはいない。Appleのイヤホンの最新版AirPos Proには、外の音を聞けるトランスペアレントモードと外の音をシャットアウトするノイズキャンセリングモードがあり、トランスペアレントモードにしていると、イヤホンをつけているのを忘れるぐらいだと言う。もちろんAIアシスタントのsiriが搭載されているので、ある友人は「これがまさに拡張現実のウエアラブルだ」と感想を述べてくれた。

AirPods Proは大変な人気で、今注文すると配達されるのは1ヶ月後ぐらい。オンラインショップでは、プレミア価格で販売されていたりする。

Airpodsの出荷台数は、2020年には前年比50%増の9000万台に到達するという予測もある。

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今後Appleは、AirPods Proに体温センサー、心拍センサーなどを搭載するという噂もあり、ますます高性能のイヤホンに進化しようとしているようだ。

「今年こそウエアラブル元年」、「今年こそVR、AR元年」と言われ続けて久しい。実は、時代変化の波は、静かにやってきているのかもしれない。

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プロフィール

湯川鶴章

AI新聞編集長。米カリフォルニア州立大学サンフランシスコ校経済学部卒業。サンフランシスコの地元紙記者を経て、時事通信社米国法人に入社。シリコンバレーの黎明期から米国のハイテク産業を中心に取材を続ける。通算20年間の米国生活を終え2000年5月に帰国。時事通信編集委員を経て2010年独立。2017年12月から現職。主な著書に『人工知能、ロボット、人の心。』(2015年)、『次世代マーケティングプラットフォーム』(2007年)、『ネットは新聞を殺すのか』(2003年)などがある。趣味はヨガと瞑想。妻が美人なのが自慢。

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