World Voice

ミャンマーでエンタメとクリエイトする日々

新町智哉|ミャンマー

ミャンマーニュースを読み解く際に気に留めてもらいたい大切な事

今はもう消されてしまっている国民のメッセージ:筆者撮影

皆さんこんにちは。
日本の真夏日なんて「生ぬるい」と思っている今日この頃です。
因みにミャンマーでは暑いという時は平気で40度を超えるのですが、日本気象協会が独自で名付けたところによると40度以上の日を酷暑日と呼ぶそうです

今回はミャンマーのニュースを見る時に気を付けて欲しい事などを書き連ねたいと思います。
複雑なミャンマー情勢の中、様々なニュースが飛び込んでくることですが、ともすれば誤解しかねない時は往々にしてあると思っています。
そしてその誤解は、ミャンマーに関心を持って間もない方々にとって、良くない結果に結びつきかねない重要な分岐点になると思うので我々は特に気を付けていかないといけないと感じています。
出来る限り重要なポイントを共有し、今後に役立てていただければ幸いです。

その前に一つお知らせです。
誰も知らない、だけど、知っている人は知っている。
「ミャンマー言いたい砲台ラヂオ」が第78回を終えました。
アーカイブがありますので、是非お聴きください。
30分番組となっています。

それでは本題です。
配信や、このワールドボイスの記事でも散々言ってきた事ですが、ミャンマーについては「そもそも」という考え方が非常に大事だと思っています。
今、ミャンマーがこの大変な状況になったのはいつからか、そしてその引き金を引いたのは誰なのか?
言わずもがなな事ではありますが、2021年2月1日、軍に寄って引き起こされたクーデターにより、ミャンマー国民は否が応無しに苦難の状況へ追い込まれてしまったのです。
まずこの紛れもない事実はキチンと前提条件として押さえておかないといけないと思います。

どうすればこのクーデターは回避できたのか?
軍以外の人間の行ってきたことは最良の手であったかどうか?
それはしかるべき時に考察され、論議され、総括されるべき事ではあると思います。
しかし、どんなに原因を考える事が大事だとしても、その事が引き金を引いたモノへの減罪にはならない事はキチンと留意して語られなければならないと思います。
私としても逐一こんな面倒くさい事を言いたくはないのですが、どうもここをはき違える方が少なくないので敢えてそういった方々へも優しく苦言を呈したいと思っております。

さて、少し愚痴臭くなってしまいました。
もう少しミャンマーニュースの読み解き方について私なりの見解をお伝えします。
これも方々で話している事なので詳しい方々にはまたかと思われる事ですが、まだまだ伝わっていない(知られていない)事なので何度でもお伝えしていかないといけない事です。

現在、ミャンマー国内のほとんどのメディアはどの形態に関わらず軍によってライセンスを剥奪されています。
勿論そこに日本のような納得のできる理由や手続きはありません。
ほぼ一方的にです。
これに反発をしたメディア関係者で逮捕、拘束、最悪は死を迎えた人は少なくありません。

国際ジャーナリスト組織、国境なき記者団(RSF)が3日発表した2023年の世界報道自由度ランキングで、ミャンマーは180カ国・地域中173位でした。
そんな状況で大手を振るってメディア活動をしているのは軍が運営しているメディアだけです。
ここはキチンと押さえた上でどこから出て来たニュースなのかを良く確かめて読んでいただきたいと思います。

そして最後に、様々なニュースで国民の意思というのが計られる事がありますが、それが恣意的な表現になっていないか。
恣意的でないにしても明らかに一部の意見、意思を大きく報道してはいないか、ここについては我々ミャンマー世論調査機構が行った第一回ミャンマー世論調査が大いに参考になると考えています。
全アンケートのグラフはこちらに公開しています。
今一度ミャンマーニュースを読み解く時の参考にしてください。

第1回ミャンマー世論調査グラフデータ全公開【ミャンマー世論調査機構(MOPR)】

勿論この世論調査が確実に全てのミャンマー国民の意思を表しているとは申しません。
あくまで一つのデータとして見ていただければ充分です。
盲目的に我々を信じてもらうというのは私自身、望むところではありません。
様々な角度からミャンマーニュースを読み解き、ミャンマー問題に関心を持っていただける事を望んでおります。

私の本道であるエンターテインメントは衣食住、最低限のモノが揃っていて初めて心から楽しめるものです。
その為に無い頭を今日も振り絞ってどうしたら良いかを考え続け、基本失敗を続けながらもその姿を伝え続ける事によって事態が少しでも好転している事を願っています。
引き続き応援よろしくお願いします。

それではまた明日。

 

Profile

著者プロフィール
新町智哉

映像プロデューサー。2014年からミャンマー最大都市ヤンゴンに在住。MAKE SENSE ENTERTAINMENT Co.,Ltd. GM。日緬製作スタッフによる短編コメディ「一杯のモヒンガー」でミャンマーワッタン映画祭のノミネートを皮切りに世界各国の映画祭で受賞。起業家、歌手、俳優としてもミャンマーで活動する。

Twitter:@tomoyangon
Instagram:tomoyangon
note:https://note.com/tomoyaan

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