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イタリアの緑のこころ

石井直子|イタリア

イタリア全土封鎖から1年、新型コロナウイルス死者10万人超 今も感染拡大

「すべてうまく行く」、昨年の全土ロックダウン中、市民が力を合わせ乗り越えた際の合言葉が、規制解除が始まった5月、山頂のイタリア国旗に。2020/5/4/ photo: Naoko Ishii

 イタリア全土がロックダウンとなった昨年310日から1年が経ちました。数々の厳しい規制やマスク装着の習慣化、ワクチン接種開始を経て、にも関わらずイタリアでは、昨秋から再び急激に増加した現在の感染者(attualmente positiviの数が、一時は減少傾向にあったものの、今年2月半ばから再び増加を続け、37日には47万人を超えています。

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出典:Protezione Civile - COVID-19 Situazione Italia

 あれから1年経ったというのに、現在も感染が増え続ける原因は、より感染力が強い英国型、ブラジル型などの変異株が、従来型に取って代わりつつあるためとされています。また、ドイツ、英国など近隣の欧州諸国が、感染拡大を防ぐために長期にわたるロックダウンを実施したのに対し、イタリアでは、政府の技術科学員会や医療関係者からは昨秋からすでに何度も必要が訴えられている全土におけるロックダウンが、イタリアの経済的状況や経済・店・企業のためにと規制全般に反対する、右派を中心とする声のために実施されず、従来の措置では変異株による急速な感染拡大を防ぐことができないことも、ウイルスの拡大を助長した一因であると考えられます。

 また、新型コロナウイルス感染症が死因であると確定される死者(deceduti)の数も10万人を超え、現在、100,479人となっています。

 新型コロナウイルス感染症によるイタリアでの死者数が10万人を超えたことについて、先日、スカイニュースで特集番組があり、この数はあくまでも感染源が特定された死者の数であり、昨年12月の段階ですでに、イタリアでは年間の死者数が、過去の年間死者数の平均を10万人以上 上回っていたことに言及していました。

 また新型コロナウイルスによる死者の平均年齢は81歳で、そのうち80歳以上が61.86%、70歳以上が86.2%を占めています。また、死者全体のうち、まったく持病のない人が3.1%、持病が一つだった人が11.9%、二つの人が18.5%、三つ以上の人が66.5%と、複数の病気を抱える人の割合が高くなっています。

 3月に入ってからイタリアでは、新規感染者数が2万人に近い日が多くなっています。また、集中治療室における新型コロナウイルス感染症患者の病床使用率も、3月初めには25%だったのに、現在では31%に達しています。新規感染者数が多くなると、集中治療室の入院患者が増えて死者が増え、医療機関も逼迫する恐れがあることから、国では、さらに厳しい規制が必要であるとして、現在、討議が重ねられています。

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出典:在イタリア日本国大使館「2021年3月8日~ ゾーン別措置一覧(概要)」

 現在は、すでに多くの州がオレンジゾーン、あるいはレッドゾーンとなっているのですが、今後については、地域で直近1週間の住民10万人あたりの新規感染者数が250人を超えたら自動的にすぐにレッドゾーンとなる、週末はクリスマス同様にイタリア全をがレッドゾーンとするなど、さらにいっそう厳しい規制とするか、あるいは、週末はバールとレストランは休業でも他の店は開業できて、居住する市町村内での移動は可能とするかなど、具体的な内容が決まりつつあるところです。

 厳しい規制とワクチン接種が効果を奏して、1年後に再び直面することとなった全土における感染拡大の危機を、今度もまた協力して乗り越えていけるよう願っています。

 

Profile

著者プロフィール
石井直子

イタリア、ペルージャ在住の日本語教師・通訳。山や湖など自然に親しみ、歩くのが好きです。高校国語教師の職を辞し、イタリアに語学留学。イタリアの大学と大学院で、外国語としてのイタリア語教育法を専攻し卒業。現在は日本語を教えるほか、商談や観光などの通訳、イタリア語の授業、記事の執筆などの仕事もしています。

ブログ:イタリア写真草子 Fotoblog da Perugia

Twitter@naoko_perugia

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