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平野美紀|オーストラリア

コロナ陽性でも隔離不要、オーストラリアは「コロナ終了」で経済活性化へシフト

オーストラリアでは新型コロナウイルスのパンデミックは終了?(Credit:hamzaturkkol-iStock)

オーストラリアでは、10月14日をもって、COVID-19検査で陽性になっても自己隔離(自宅待機)が不要となった。(参照

アルバニージ豪首相は、9月30日、検査で陽性になった場合の自己隔離義務を撤廃、経済活性化を強化すると発表した。

これにより、ここまでに残っていた新型コロナウイルス関連の規制は、ほぼすべて撤廃されたことになる。(『ほぼ』としているのは、過去のコラムで述べてきた通り、州ごとに政策が異なり、「病院や高齢者施設への立ち入りの際にマスク着用」など、一部残している州があるから)

今後、コロナ陽性者はどうすればいいのか?

それまで(ワクチン接種開始後くらいから)は、自宅でCOVID-19検査(RAT=簡易抗原検査)をし、陽性判定となった場合は、それぞれ管轄の保健当局への報告し、自宅での自己隔離が義務付けられていた。この隔離期間は、パンデミック初期からしばらくの間は2週間だったが、徐々に期間が短縮され、先月、7日間→5日間にさらに短縮されたばかり。それが、ついには陽性になったとしても自己隔離すらしなくていいことになったのだ。

もともとは、RATで陽性反応が出た場合には、保健当局への報告も義務付けられていたが、途中からはそれすら不要(陽性でも報告義務なし)となっていた。

保健当局では、隔離義務が撤廃されても、「何らかの症状が出ている場合は、よくなるまで自宅で療養することを推奨する」としているが、この新しいルールに従えば、検査で陽性になって症状がでていても、本人が大丈夫と思うなら普通に生活していい、ということになる。

ビクトリア州の「コロナ終了」宣言

国のこの決定を受け、各州がそれぞれに「COVID-19 陽性となった場合でも自宅で自己隔離する義務は無くなった」と発表。パンデミック初期には厳しいロックダウンと規制を強いてきたビクトリア州では、「パンデミック宣言/法」が10月12日いっぱいで終了することに合わせ、他州より2日早い終了を宣言した。


様々な物議を醸していたビクトリア州の「パンデミック宣言/法」とは、「緊急事態宣言」よりも州政府が強い権限を持ち、州首相が「今はパンデミックである」と宣言すれば、公衆衛生を建前として医療や生活などのあらゆる分野で州民に対して義務化や強制が可能となるものだ。(参照

ビクトリア州では、パンデミック初期の「緊急事態宣言」から合わせると、新型コロナウイルスのパンデミックに関する州民への規制や制限を課す法が930日以上発せられていたことになり、これが終了したということは、まさに「コロナ終了」を宣言したも同然といえる。

こうしたオーストラリア及び州当局の急激な対応の変化を見ていると、これまでのことは一体何だったのか?という疑問がふつふつと湧いてくる。また、コロナ関連規制をほぼすべて撤廃したことで、オーストラリアではコロナ感染や死者が減っているのか?と思う人も多いことだろう。

アルバニージ首相が「陽性者の隔離義務撤廃」を発表した時点では、オーストラリアの新規感染者数は1日5,000人余りであった。(参照)これが少ないとみるか、多いとみるかは、オーストラリアの総人口(昨年時点で2,600万人弱)を考慮して考えてみて欲しい。

たしかに最多の時点と比較すれば、統計上は減っているといえる。ただ、検査をしなくなった、検査で陽性になっても報告義務がなくなった、など、いくつもの要因があるので、一概に減ったといえるのかどうかわからない。では、見えないところで感染拡大しているのか?といえば、そう単純に言うこともできない。そもそも、当局自体が感染者数や入院者数、死者数などを毎日発表するのを止めてしまったのだ。これは裏を返せば、日々の感染者数に目を向ける必要は無くなったということなのだろう。

そうした状況の中で間違いなくいえるのは、今ではもうマスクしている人を見かけることのほうが珍しいくらい街中からマスクは消えたし、数十人の仲間が集まるパーティやイベントも、パンデミック以前同様に戻ってきたということだ。

私自身も先月、70人ほどが集まった知人の誕生会に参加してきたが、誰一人としてマスクしていないばかりか、生バンドに合わせて大勢がダンスに興じる姿もあった。そして、そうした大勢が集まるパーティやイベントに参加した人が、コロナ感染して重症化したという話も一切聞いたことがない。

オーストラリアでは、(コロナは)多くの人にとっては過去のものになりつつあり、何事もなかったかのように元の世界が戻ってきているようだ。〈了〉

 

Profile

著者プロフィール
平野美紀

6年半暮らしたロンドンからシドニーへ移住。在英時代より雑誌への執筆を開始し、渡豪後は旅行を中心にジャーナリスト/ライターとして各種メディアへの執筆及びラジオやテレビへレポート出演する傍ら、情報サイト「オーストラリア NOW!」 の運営や取材撮影メディアコーディネーターもこなす。豪野生動物関連資格保有。在豪23年目。

Twitter:@mikihirano

個人ブログ On Time:http://tabimag.com/blog/

メディアコーディネーター・ブログ:https://waveplanning.net/category/blog/

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