World Voice

サッカーを食べ、サッカーを飲み、サッカーと寝る国より

古庄亨|ブラジル

オリンピック?今、それどころではないブラジル事情

◉今、あえて議論する事ではないという雰囲気

(2016年、ブラジル人に絶賛された東京オリンピックPV映像/TV Globo)

オリンピックは開催するべきなのか、延期、中止するべきなのか。

この問題がブラジル国内で熱く議論される事はない。

勿論、様々なニュースに対して、コメントがつく事はあるが、世論を真っ二つに分けてというレベルにはなっていない。

正直、それどころではないのだ。

第二波、第三波と続く、Covid-19の感染拡大。

それに伴う、様々な規制により仕事ができたりできなかったり、更には職を失う事になったり...。

オリンピックに参加する選手達が身近にいる訳でもない。

彼らはオリンピックに向けて安全な地域や施設でトレーニングしているのだ。

自分達とは住む世界が違う。

勿論、オリンピックが始まれば自国の代表者を応援するだろう。

ただ、今何がなんでもオリンピックの開催を決める必要は無いという気持ちが殆どだろう。

前述の通り、オリンピック開催において特に参加拒否や、大会中止のネガティブなニュースも上がっていない。

しっかりとCovid-19の管理が行われている日本であれば開催も大丈夫だろうという考えと、日本のニュースがそれほど入ってきていない為であると考えられる。(※ブラジル人は日本のCovid-19対応を称賛しており、コントロールされていると考えている)

懸念すべきは今後のブラジル、日本のコロナ状況である。

あくまで予想ではあるが、ブラジルは恐らく予想では5月には収束に向かうだろう。

日本の状況が今より悪くならずオリンピックが開催されれば、ブラジル代表は日本へと向かうだろう。

(ブラジルのTV局が作成した東京オリンピックPV映像/GordoSapiens)

但し、どちらかの状況が悪化すれば、一気にその選択は覆される事になる。

特に日本の状況が悪くなれば、そうなる可能性が高い。

パラグアイやカナダの様に国ごと参加を拒否する可能性も高い。

それがどれだけ大会直前であってもだ。

日本の様に、一旦約束してからの変更は相手に迷惑が掛かると考えたり、国の代表として選ばれたのだから、自分の意見を言うべきではなく国の判断に委ねるという考え方は基本的に無い。

約束した時と状況が変わったのだから選択が変わるのも当然、国がなんと言おうと自分は違う選択をしただけと堂々と意思表示を行う。

これは文化の違いといえばそれまでだが、日本的な考え方の方がマイノリティーだと考えて良いだろう。

開催国への迷惑、被害。これらは分かってはいるが考慮はしない。

優先順位が違うのだ。

自分が日本人なので迎え入れる側(当事者)としての気持ちはわかる。

ブラジルにいる事で、行く側の熱量や気持ち、考え方もわかる。

非常に難しい問題である。

私事ではあるが、広告代理店として東京オリンピックの中の人間として職についている筆者の友人がいる。

勿論、内部事情を聞く訳もなく、話してくれる訳でもないが、本当に色んなパターンのシュミレーションを行い、万が一、最悪なパターンも想定して対応の準備をしているとの事であった。

恐らく通常のオリンピックよりも大変な準備になっているだろう。

その友人がいなければ、今は開催すべきではない、延期か中止にすべきだと考えたかもしれない。

ただ、友人の仕事の事を考えると、何とか無事に開催されて選手も関係者も観客も満足する大会になって欲しいと思っているのも事実である。

既に1年延期をしていての更なる延期は友人だけでなく選手、関係者も辛いだろう。

所や立場が変われば、見えている物や考え方、感じ方も変わってくる。

世界中の各国、各地域でそれぞれが目の前の事に対応していくしかないのだろう。

我々は、あとどれだけの時間をこのCovid-19に振り回され続けるのだろうか...。

(了)

 

Profile

著者プロフィール
古庄亨

ブラジル・サンパウロ在住。日本・ブラジル・タイの3ヶ国で、2010年までフットサル選手としてプレー。2011年より5年間、都内スポーツマネージメント会社勤務。2016年ブラジルに渡り翌年現地にて起業。サッカーを中心にスポーツ・教育関連事業で活動中。

Webサイト: アレグリアスポーツアカデミー・サンパウロ

Twitter: @toru_furusho

あなたにおすすめ

あなたにおすすめ

あなたにおすすめ

あなたにおすすめ

Ranking

アクセスランキング

Twitter

ツイッター

Facebook

フェイスブック

Topics

お知らせ