コラム

外国人投資家の不動産爆買いに迷惑しているのは日本人だけではない

2025年10月23日(木)15時37分
カン・ハンナ(歌人、タレント、国際文化研究家)

日本で十数年のキャリアを積み、平均年収を超えるほど稼いでいる外国人の友人も同様に、どうしても住みたかった物件を諦めざるを得なかったという。その理由はとてもシンプルで、そのマンション自体が外国人NGだったから。つまり、書類審査の申し込みさえできなかったのだ。

現状、日本に住んでもいない外国人が日本で不動産を購入するのには規制がない一方、日本で働いて暮らしていきたい在留外国人にはどうしていまだに厳しい扱いなのだろうか。日本で家を買おうと検討している私からしても、ローンが組めるかなど違う壁にもぶつかる可能性を視野に入れておかないといけないと思っている。


実は、私の母国である韓国もつい最近までは日本と似た状況だった。金利上昇による住宅ローン返済負担の増加などに伴い不動産価格が大幅に下落した2022年前後に、外国人投資家による投機目的の不動産購入が急増していたのだ。

韓国に住んでいない若い中国人やイギリス人が首都ソウルで最も高額のマンション(約12億円)を一括払いで購入したことがニュースになり、直近2年間では都心部を中心に億ションの取引の約2割が外国人投資家であることが判明した。

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