「外国人が日本のトイレを絶賛」と「アフガン情勢」、大事なニュースはどっちだ
しかし残念ながらこの手の話題を喜んで読む人が多いから、似通った話がいくつもニュースになるのだろう。皆さんも何だか変だと思うはずだ。五輪に際して報道されるべきは、日本はコンビニのサンドイッチが素晴らしい! 外国人記者たちが大絶賛! というニュースなのだろうか?
日本人の世界観は随分小さくなってしまって、知的好奇心のレベルも下がってしまったのかと思うと、暗たんたる気持ちになる。こう言うと必ず、日本のことが大事で何が悪いのか、と言う人がいる。しかし世界は今やいや応なくつながってしまっている。自国のことさえ知っていればいいという時代はとうの昔に終わった。それは、金融危機、気候変動による天災の多発、そしてコロナの蔓延を見ても明らかだろう。
私は日本が大好きだからあえて言うが、ますます進む日本の内向き志向は国を滅ぼしかねない。自分には一見何の関係もない遠い国での事件や事故、紛争や感染症は、ある日あなたの生活を180度変えてしまうかもしれない。時には気楽な話題もいいが、世界情勢にアンテナを張っておくことは、あなたの損にはならないはずだ。
石野シャハラン
SHAHRAN ISHINO
1980年イラン・テヘラン生まれ。2002年に留学のため来日。2015年日本国籍取得。異文化コミュニケーションアドバイザー。シャハランコンサルティング代表。YouTube:「イラン出身シャハランの『言いたい放題』」
Twitter:@IshinoShahran

アマゾンに飛びます
2025年6月24日号(6月17日発売)は「コメ高騰の真犯人」特集。なぜコメの価格は突然上がり、これからどうなるのか? コメ高騰の原因と「犯人」を探る
※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら
在日外国人は米に困っていないし、「令和のコメ騒動」に無関心 2025.06.16
大阪万博は特に外国人の評判が最悪...「デジタル化未満」の残念ジャパンの見本市だ 2025.06.10
コメ価格高騰で放映される連続ドラマ『進次郎の備蓄米』にうんざり 2025.06.07
誕生日は「文化の鏡」である...「ミニフェスのような誕生会」から見えた「個人」と「社会」 2025.06.06
日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先 2025.05.16
日本の「治安神話」崩壊...犯罪増加と「生き甲斐」ブームの関係 2025.05.07