ニュースでよく聞く「東京外国為替市場」は、実際は存在していない
ここで提示される売りレートを「オファー(offer)」、買いレートを「ビッド(bid)」と言います。為替市場参加者の面白い(?)義務として、直接取引の際は、オファーとビッドの2つの価格を同時に提示する必要があります。ここに、からくりがあります。
具体的には、取引は以下のように行われます。 銀行トレーダーのAさんは、顧客の企業からのドル売りオーダーを受けて、別のトレーダーのBさんに電話をかけて、「ドル円〇本プライスください」と告げます(1本は100万ドル)。
この際、「ドルを売りたい」とは決して言いません。あくまで「プライスください」とだけ伝えるのです。告げられたBさんは、そこでオファーとビッドの2つを同時に提示します。
たとえば、オファーとして1ドル=150円37銭(ドル売り)、ビッドとして1ドル=150円35銭(ドル買い)の両方を提示します。具体的には、「サンゴ・サンナナ」と言います(150円というのは互いに分かっているので、銭の方だけ告げます)。
提示を受けたAさんは、ビッド1ドル=150円35銭で良ければ、Bさんの提示にOKを出し、成約となります(Aさんのドル売り、Bさんのドル買い)。この時、どのようにOKを出すのかと言うと、AさんはBさんに「ユアーズ(yours)」と言います。
為替市場はドル中心主義なので、「貴方にドルを売ります」の時にドルをユアーズ、つまり貴方に差し上げる、と伝えるわけです。これは、裏を返せば「円を買います」という意思表示です。Aさんがユアーズと言ったその瞬間に、Bさんにはドルを買う義務が生じます。





