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秩序崩壊の時代、日本に残された使命

SURVIVING TRUMP’S ARMAGEDDON

2026年3月17日(火)11時30分
河東哲夫 (本誌コラムニスト、元外交官)
トランプのイラン攻撃が世界の市場を大混乱させている KEVIN LAMARQUEーREUTERS

トランプのイラン攻撃が世界の市場を大混乱させている KEVIN LAMARQUEーREUTERS


▼目次
日本は社会進歩の目標を見失うな

以前から、アメリカ主導の戦後体制の終焉が指摘されているが、今回ホルムズ海峡が事実上封鎖されるなかで世界の株価、原油価格などが乱高下。まるでアルマゲドン(世界の終わり)だ。

世界の歴史で、それまでの安全保障・経済システムがガラガラポンになったことは何度もある。ローマ帝国の崩壊、第2次大戦と大英帝国の没落などがその典型。問題は、その後混乱が続くか、それとも何か新しい体制ができるかだ。

今の混乱の大本には、米経済が空洞化し、国債への依存を強めていることがある。トランプは、財政赤字の拡大と国債価格の崩落を防ぐことを至上課題とし、関税を上げて悦に入っていたが、その違法性を連邦最高裁に指摘されて面目を失った。もう1つの課題である11月中間選挙での勝利は、ウクライナやパレスチナ自治区ガザでの戦闘を止めることで人気を取ろうとしたが失敗。ノーベル平和賞は諦めて、ベネズエラ、イランと米軍の投入に邁進する。そしてイランでは、現在の混乱を引き起こしている。

こんなときはNATOの欧州諸国が自由と民主主義思想の老舗であることを意識して、アメリカを正道に引き戻すべきなのに、彼ら自身、経済不振とその中で分配を求める世論に溺れて、ポピュリズムにからめ捕られている。そしてイスラエルは周りがどうなろうと自らの100%の安全保障を追求し、見通しのない強硬路線を突っ走る。

中国は経済困難、軍の掌握不安定化に見舞われ、台湾攻略どころではない。中国経済はその大きな図体でドタンバタンとのたうち回り、企業を政府助成金漬けにしては、輸出増大で内需不振をカバーしようとして、世界のひんしゅくを買っている。

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