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「#ジェームズ・ボンドを忘れろ」――MI6初の女性長官が掲げる「新しいスパイの戦い方」

BRITAIN’S NEW SPY CHIEF

2026年2月20日(金)18時51分
エドワード・ルーカス (ジャーナリスト)

MI6の活動を問う全面的な権限があるのは首相と内閣官房長だけ。それも1カ月に1時間程度だと、ある元閣僚は語った。MI6の活動は、成功しても、失敗に終わっても、秘密のままであることが多いのだ。

クールに決めたスパイのイメージは、秘密に包まれた活動と合わさって、驚くほど大きな効果を発揮する。長年の防衛費削減で英軍が空洞化し、国としてのソフトパワーが低下し、経済がつまずくなか、MI6はイギリスが今も世界的に高い評価を誇る数少ない機関の1つだ。

トップの安定もプラスに働いてきた。ムーアは5年間の任期中に外相が5人交代するなか、サウジアラビアやアメリカなどを相手に外交活動に近い仕事をした。ムーアほど独立して、政治的に大きな役割を果たしたMI6長官はいない。

メトレウェリが言及したSOEは、少なくとも大衆の記憶では、現在のイギリスとは正反対、つまり敵に堂々と立ち向かい、最終的に勝利を収めるイギリスの象徴だ。

テムズ川南岸で存在感を放つMI6本部で、メトレウェリと約3500人の職員は機密情報の管理人だけでなく、イギリスの自尊心の鍵となろうとしているのかもしれない。

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