「#ジェームズ・ボンドを忘れろ」――MI6初の女性長官が掲げる「新しいスパイの戦い方」
BRITAIN’S NEW SPY CHIEF
MI6初の女性長官に就任したメトレウェリ KIRSTY WIGGLESWORTHーPOOLーREUTERS
<『007』より現実は過激だ。ロシアの放火やサイバー攻撃、情報工作に対し、MI6は「大胆に影響を強める」攻めの姿勢へ転じようとしている──>
情報機関は、本来なら表からは見えないところでひっそり活動しているもの。だがイギリスの秘密情報部(SIS)、通称MI6は、国民向けのイメージ戦略にも余念がない。
と言っても、007(ダブルオーセブン)映画やジョン・ル・カレのスパイ小説が引き合いに出されるわけではない。大事なのは存在意義や高い能力、現代的なマネジメントを印象付けるメッセージだ。
われわれは現代のイギリスを映し出す鏡であり、多様で包摂的で階級のない組織だと、MI6はアピールしている。就職を望むなら、大学の教授経由で声がかかるのを待つ必要はない。MI6の人材募集サイトに行けばいい。
前長官のリチャード・ムーアが、MI6では柔軟な働き方を提供し多様性を受け入れるとX(旧ツイッター)に投稿した際、「#ジェームズ・ボンドのことは忘れろ」というハッシュタグを作ったのは話題となった。
だから昨年、ブレーズ・メトレウェリが初の女性長官に任命されたのも、イメージ戦略の一環ではと思う人もいるかもしれない。
007映画では30年も前にジュディ・デンチ演じる女性長官が登場していたし、ムーアも在任中繰り返し、自分の後任は女性が望ましいとの考えを表明していた。






