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ウクライナ戦争

ウクライナ前線で増え続ける兵の自死...隠蔽される「非戦闘による損失」の残酷な真実

THEIR HEAVY DECISION

2026年2月18日(水)14時40分
尾崎孝史 (映像制作者、写真家)

オルガの調査によると、現在少なくとも月に2、3件の自殺が確認されているという。さらに何百もの事例の中には、自殺という名目で殺人が隠されているケースがあると、彼女はBBCウクライナで語っている。

戦死兵の遺影が並ぶ広場

戦死兵の遺影が並ぶ広場。自殺した者はこのように表彰されることはない(25年12月、ドネツク州) TAKASHI OZAKI



本稿の執筆に当たり、何か心当たりはあるかと幾人かの知人に尋ねた。ボランティアの青年は、夫婦関係のもつれが原因で兵士が自殺した現場を案内してくれた。ドネツク州の前線から自宅に持ち帰った手榴弾の引き金を、玄関先で引いたのだという。第45独立砲兵旅団の兵士は、24年に自殺した戦友の写真を送ってくれた。その兵士はヒゲを蓄え、ウクライナの国章が付いた帽子をかぶっていた。

イーゴルが保管していたクリスマスの画像では右腕にタトゥーが見える。ウクライナ語で「死は始まりにすぎない」と彫られていた。ウクライナの法律で「非戦闘による損失」として処理される兵士の自殺。一人一人が重い決断に至った経緯は解明されるのか。誰もが、その始まりの時を待っている。

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